初めてTOEICを受けるなら目標の点数は450点にすることをオススメします。
このページでは、その理由を解説するとともに、TOEIC450点のレベルと勉強法をご紹介します。
TOEIC受験が初めてなら目標点数は450点に
初めてTOEICを受ける時の目標点数についてはいろいろな考え方があります。
初めてでも目標の点数は600にした方がよいという考えもあれば、もっと高くすべきという人もいます。
逆に、初めてのTOEICなら目標点数は設定しなくていいという考えもあるでしょう。
もちろんこれらの考え方には、それぞれ理由があります。
目標を600点にするのは、就活や転職などでTOEICの点数が評価されるのが600点以上だから、という理由だと思われます。
たしかにTOEICを就活や転職などで活用したいなら、少なくとも600点は欲しいところですので、この考えには一理あります。
さらに高い点数を目標にすべきというのは、初めてでも高い点数を狙えるレベルの人を想定した考え方です。
ただ、初めてTOEICを受ける時に600点やそれより高い点数を目標にするのは、よほど英語に自信がある人でなければ難しいのではないかと個人的には思っています。
というのも、TOEICはビジネスシーンで使われる表現が多かったり、独特の言い回しが使われたりといった特徴があるので、ある程度の慣れがないと600点以上の点数を取るのが難しいからです。
にもかかわらず、初めてのTOEICで目標点数である600点を大きく下回る点数しか取れなかったら、ショックを受けてモチベーションが下がってしまうおそれがあります。
TOEICで目標点数を獲得するには、勉強を続けることが何より大切になってきますので、モチベーションが下がるのは避けなければなりません。
かといって、初めてのTOEICは力試しのつもりで受ければいいという理由で目標点数を設定しないのも問題です。
目標の点数がなければ、TOEICを受けるまでの間ダラダラと勉強することになりますし、結果が届いた時に目標に対して何が足りなかったのかチェックすることができないからです。
やはりTOEICを受けるに当たり目標点数は必要ですが、あまり高すぎるのもよくない。
このような理由から、初めてTOEICを受ける時の目標点数は450点がちょうど良いのではないかと私は考えています。
450点なら、あまり英語に自信がない人でも頑張れば届く点数であり、最初の目標をクリアできれば次の目標も立てやすくなるので、順調にスコアアップを目指すことが可能です。
初級レベルの人は450点が最初の壁
ただし、ここで注意して頂きたいのは、何の準備もせずに、初めてのTOEICで450点を取るのは簡単ではないということです。
TOEICは英検のように受験生のレベルで試験内容が分けられておらず、さまざまなレベルの人が同じ問題を解くので、英語が得意な人にとっては、450点は何の準備もせずにクリアできるかもしれません。
しかし、まだ中学英語がやっと分かるくらいの初級レベルの人にとって、TOEIC450点というのは最初に越えるべき壁ともいえる点数です。
そこで以下では、初めてのTOEICで450点を目標点数とするにあたり、TOEIC450点がどのくらいのレベルなのか、そしてTOEICで450点を取るためにはどのような勉強法がよいのかについてご紹介させて頂きます。
ぜひ今後の勉強の指針としてご活用ください。
TOEIC450点のレベルとは?
まず、TOEIC450点とはどのくらいのレベルなのでしょうか。
これにはいろいろな考え方がありますし、あくまでも目安としての結論にしかならないのですが、TOEICが公式サイトで発表している「TOEICスコアとコミュニケーション能力との相関表」が1つのヒントになります。
これはTOEICスコアとコミュニケーションスキルの関係を示した表です。
残念ながらこの表には450点は載っていないのですが、470点のコミュニケーションスキルとして以下の記述がなされています。
日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。
通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通になると、巧拙の差が見られる。
基本的な文法・構文は身についており、表に力の不足はあっても、ともかく自己の意思を伝える語彙を備えている。
と、記述はこのような感じなのですが、具体的にどのようなことなの分かりにくいですよね。
英検との比較からTOEIC450点のレベルを考える
そこでもう少し具体的なデータとして、古いものになるのですが、2001年9月23日に実施されたTOEICテストの際にアンケートを取り、受験生が持っている英検の級とTOEICスコアの関係を調べたものがあります。
これによると、英検2級取得者のTOEIC平均スコアは517、英検準2級取得者のTOEIC平均スコアは392です。
ここから考えると、TOEIC450点は英検2級と準2級の間くらいと言うことができます。
そして英検の公式サイトによると、英検2級は高校卒業程度、英検準2級の難易度は高校中級程度というレベルです。
ですから、一応の結論としてTOEIC450点は高校中級~高校卒業程度となるのではないでしょうか。
TOEICに必要な文法のレベル
ただし、ここで注意しなければならないのは、TOEICには高校レベルの文法は基本的には必要ないということです。
英検は文部科学省が後援していることもあり、TOEICに比べると、学校で習う英語の理解が必要な場面も多く、高校レベルの文法知識も必要になってきます。
これに対しTOEICは、主にビジネスシーンでの英語運用能力が問われるテストなので、高度な文法知識は必要ありません。
TOEICでは、まず中学英語レベルの文法さえ押さえておけばOKです。
これを知らずに英検との比較に引きずられて高校レベルの文法まで手を広げてしまうと、TOEICには必要ないことまで勉強するハメになってしまいます。
くれぐれもご注意ください。
TOEICで450点を取るための勉強法
それではTOEICで450点を取るための勉強法に入ります。
やるべきことは大きく分けて2つ。
基礎を固めることと、公式問題集で対策を取ることです。
まずは中学英語で基礎を固める
何と言っても最初は基礎固めです。
TOEICではスコアを伸ばす受験テクニックのようなものがいくつかありますが、その大前提として基礎がしっかり固められている必要があります。
このようなテクニックは基礎的な力が身についていてはじめて効果があるものだからです。
そして基礎固めのためには中学英語をマスターしなければなりません。
TOEICはビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力が問われるテストだから、高度な知識が必要なのでは?と思われるかもしれませんが、必要となる知識は基本的なものが多く、特に初級レベルの方にとっては中学英語をマスターすることが出発点となります。
特に文法です。
単語はどれだけ覚えても終わりはありませんし、リスニングやリーディングのスキルも「ここまででOK」というものはありません。
ですが、文法は基礎的な中学英語レベルさえ押さえてしまえば、とりあえずTOEICで必要な範囲はほとんどカバーできます。
したがって、範囲が限られている文法を終わらせることが、その後の学習をスムーズに進めることにつながります。
そして文法を学ぶ中で出てきた単語を覚えていくだけでも、少しずつですが単語の知識は増えていきます。
TOEICでは単語をたくさん知っていた方が有利であることは間違いないのですが、単語だけ知っていても問題を解けるようにはなりません。
このような初期の勉強法を間違えてしまうと450点を取ることは難しくなりますので、まずはしっかり基礎固めを行ってください。
また、文法や単語だけでなく、リスニングも身につけなければなりませんが、今の中学英語の教材には、ほとんどの場合リスニング用の音声もついていますので、それを使って英語の音に慣れるだけでもリスニングの勉強になります。
スコアアップを急ぐあまり、テクニックにばかり走って肝心の基礎的な英語力がおろそかになってしまっては、かえって遠回りで、それこそスコアが伸びない原因となります。
「急がば回れ」という言葉があるように、できるだけ早くスコアアップを実現したいなら、まずは基礎的な英語力の強化、つまり中学英語をマスターすることを最優先に行ってください。
TOEICのために中学英語をマスターする勉強法は↓の記事からご覧ください!
公式問題集で本格的な対策を取る
中学英語を身につけることができたら、TOEIC受験に向けた対策を取っていきましょう。
具体的な対策として公式問題集を使っていきます。
TOEIC対策に必須の公式問題集
現在たくさんのTOEIC対策用の問題集が出版されています。
大手の英会話スクールから出ているものもあれば、通信教育で有名な会社から出ているものもあります。
ただ、実際のTOEICに最も近い内容の問題集となると1つしかありません。
それが公式問題集です。
TOEICを運営している国際ビジネスコミュニケーション協会が出している問題集なので、当然といえば当然ですよね。
いわば本番のテストを作っている所が作った問題集ですから、公式問題集はTOEICの過去問のような位置づけと言っていいかもしれません。
ですので、TOEIC対策のために公式問題集は必須であり、フル活用して頂きたいと思います。
ただし、単に問題を解くだけでは何の意味もありません。
きちんと目的意識を持って問題を解くようにしましょう。
公式問題集を解く際に持っておくべき目的というのは、TOEICの特徴をつかむことと、自分の知識の範囲を明確にすることです。
TOEICの特徴をつかむ
どのような試験でも、それぞれに特徴があり、そのとに応じて対策も変わります。
たとえば、同じ英語の試験でも、TOEICと英検では試験の内容が違うため、異なる対策が必要です。
TOEICは日常会話だけでなく、ビジネスシーンを想定した問題も多いので、ビジネスで使われる英語の知識も身につけておかなければなりません。
また、TOEICは特有の言い換えが使われるという特徴もあります。
たとえば、 tulip(チューリップ)という単語が先に出ていて、後の方でそれを flower(花)という単語に言い換えるような場合です。
このようなTOEICの特徴を知らずに、ただやみくもに勉強をするのでは、全く的外れな方向に進んでしまうおそれがあります。
公式問題集は本番のTOEICに最も近い内容ですので、特徴を知るには最適の教材といえます。
何度も繰り返し解くうちに「またこのパターンだ」ということが見えてくるはずです。
そのパターンこそTOEICの特徴ですので、ぜひご自身で公式問題集を解いてつかむようにしてください。
知っている知識と知らない知識を明確にする
TOEICは英検のように受験生のレベルに応じて内容が分かれておらず、全員が同じ問題を解きます。
したがって、受験生の実力によって、解ける問題と解けない問題の差が大きくなります。
TOEICにはこのような特徴があるため、初級レベルの人が全ての問題を解こうとしても、かえってスコアは低くなってしまいます。
全部を解こうとする結果、1問当たりに使える時間が少なくなり、解けるはずの問題を落としてしまうケースが増えるのです。
ですから、初級レベルのうちは、全ての問題を解くよりも、解ける問題を確実に解くということが勉強法としては大切になってきます。
初級レベルのうちは、公式問題集に載っている内容を全て理解しようとするのではなく、自分が理解できている箇所とそうでない箇所を明確にするという目的で使うようにしましょう。
曖昧な知識だけでTOEIC450点を取るのは無理!
TOEICで450点を取りたいという目標があるなら、450点を取れるだけの正確な知識が必要です。
何となく分かっている程度の曖昧な知識では目標のスコアは取れません。
何となく答えを選ぶのではなく、きちんと理解できている知識を使って、解ける問題を確実に解くことがスコアアップにつながる唯一の方法です。
そのために、公式問題集で自分の知っている知識と知らない知識の範囲を明確にしてください。
「これは知っている、だから解ける」「これは知らない、だから解けない」ということを1問1問はっきりさせながら解くことで、解けない問題に無駄な時間をかけることがなくなります。
そうすると、解ける問題にじっくり時間がかけられるようになって、正解率が上がります。
これが初級レベルの人が着実にスコアを伸ばすための公式問題集の使い方です。
このようにして公式問題集を解くことで、自分の実力が把握でき、「この問題は解ける」「この問題は解けない」という線引きができるようになります。
もしかしたら、十分に実力が着いていない時点で公式問題集を解いても意味がないのではないかと思われるかもせれませんが、全くそのようなことはありません。
むしろできるだけ早い段階で取り組んで、自分の知識の範囲を明確にすることをオススメします。
公式問題集の使い方については、↓の記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。
最後に
このページでは、TOEIC450点のレベルとTOEICで450点を取るための勉強法をご紹介させて頂きました。
基礎的な英語力が身についていないうちは、TOEICで450点を取ることは簡単ではありません。
TOEICで早く結果を出したいがために、テクニックに走ってしまう人もいらっしゃいますが、焦って結果を求めても良いスコアは得らないのが現実です。
結局は基礎固めから始めることが一番の近道ですので、じっくりと腰を据えて学習を進めていきましょう。
この他にも中学レベルからのTOEIC対策について役立つ記事を書いていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
>>【中学レベルからのTOEIC対策】の記事一覧へ