このページではTOEIC公式問題集の使い方についてご紹介させて頂きます。
TOEIC対策には公式問題集が大切だとは聞くけど、使い方が分からないという人もいらっしゃると思います。
ですが、せっかく公式問題集を使うなら、できるだけ効果的に使いたいですよね。
そのためにも、ここでご紹介している内容を1つの例として参考にして頂ければ幸いです。
TOEIC公式問題集の大切さ
TOEICの勉強をしている人の中には「公式問題集なんて必要ない」「他の問題集や講座で十分」という意見の人もいらっしゃると思います。
ですが、私は、公式問題集は必要、というかTOEIC対策の中で最も大切だと考えています。
理由は簡単。
本番のテストを作っている協会が出している本番同様の問題集だからです。
本番と同じ協会が作成している
TOEICを受けるなら、TOEICで出される問題を知る必要があります。
本番のテスト内容を知らなければ、その対策もできませんからね。
そして、色々な出版社が問題集を出していますが、やはり本物のテストを作っている所にはかないません。
どんな試験でも、本番で出される問題を解くのに必要な力と、今の自分の力との間にあるギャップを埋めていくのが試験勉強です。
そのためにまず必要なことが、本番で出される問題を知ることです。
実際に本番のテストを作っているところが出す問題集と、それ以外のところが作った問題集。
本番で出される問題を知るのにどちらが良いか、明らかだと思います。
TOEICの傾向が分かる
どんな試験にも、特有の傾向があります。
特定の組織の人間が特定の目的を持って試験問題を作るわけですから当然です。
もちろん TOEIC にもあります。
よく知られている傾向として、ビジネスシーンを想定した問題が多いということです。
TOEIC は英語を使った日常およびビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力を測るテストなので、当然ビジネス英語が多くなります。
また、特有の言い換えが用いられるという点もTOEICの傾向として挙げられます。
たとえば、花屋の客と店員が tulip(チューリップ)の話をしている場面で、問題文で tulip ではなく flower(花)という単語に言い換えられるようなケースです。
他にもいろいろとTOEIC特有の傾向があるのですが、このような傾向を忠実に反映できるのは公式問題集しかありません。
もちろん各出版社も本番のテストに近づける工夫はされていますが、なかなか本番のような傾向を出すことは難しいようです。
他の問題集しか解いたことがないと、いざ本番に臨んだ時に「あれ?問題集と全然傾向が違う!」とパニックになるおそれがあります。
このような事態にならないよう、本番の傾向は公式問題集でつかむようにしましょう。
自分の弱点が分かる
先ほども書きましたが、試験勉強では、本番で出される問題を解くのに必要な力と、今の自分の力との間にあるギャップを埋めていかなければなりません。
そのためには、本番で出される問題を知った上で、自分の力も把握しておく必要があります。
中でも大事なのが自分の弱点を知ることです。
なぜなら、TOEICでは、リスニングもリーディングも、偏った知識だけで解くのは難しく、問題を解く力を総合的に身に付けなければならないからです。
ということは、得意分野を伸ばす勉強よりも、苦手分野をなくす勉強の方が重要になってきます。
つまり弱点克服です。
そして、当然この弱点克服は、本番の傾向に合わせて行わなければなりません。
本番のTOEIC同様の問題が掲載されている公式問題集だからこそ、自分の弱点を把握するにはピッタリです。
TOEICの傾向を知ると同時に、自分の弱点を把握するために、公式問題集を活用してください。
TOEIC公式問題集の使い方
それでは公式問題集の使い方に入ります。
まず、公式問題集の使い方としては大きく2つにわかれます。
本番に向けた練習としての使い方と、知識の確認と補充のための使い方です。
本番に向けた練習としての使い方
本番に向けた練習としての使い方というのは、いわゆる模擬試験として公式問題集を使うということです。
TOEICに限らず、どんな試験でもいきなり本番を受ける人はいないはずです。
何の練習もせずに試合に臨むようなものですからね。
ですので、本番の試験を受ける準備として模擬試験は重要な意味を持ちます。
ただ、せっかく準備するなら、できるだけ本番の試験に近い問題で練習しないと、効果は期待できません。
練習の内容が本番とズレていたら、本番には対応できませんよね。
そして、繰り返しお伝えしている通り、本番の試験に近い問題が公式問題集です。
本番の試験を実施している協会によって、本番と同じ形式、同じレベルで作られている公式問題集を、本番に向けた練習として使いましょう。
知識・技術の確認と補充のための使い方
TOEICで良いスコアを出すには、当然ながら一定の知識と技術がなければなりません。
ただ、それはTOEICで良いスコアを出すという目的である以上、必要な知識と技術のレベルも決まってきます。
本番のテストに最も近い内容である公式問題集が解けるレベルです。
そのために、公式問題集に出ている範囲の知識を押さえ、公式問題集を解くために必要な技術を身に付けるというのが、ここでの使い方になります。
押さえるべき知識としては、文法と単語が中心になりますが、文法はそもそも中学英語くらいの基本的なレベルしか出されません。
ですので、知らない文法知識が出てきたら、その都度内容を確認し、次回以降ちゃんと解けるようにしておきましょう。
注意しなければならないのは単語です。
中学英語レベルにとどまる文法知識と違って、単語は範囲がありません。
TOEICで満点を取れるような人でも、知らない単語はいくつか出てくるそうです。
したがって、公式問題集に出てくる単語を全て覚えようとしても無理がありますし、かえって効率が悪くなります。
まずは「この単語、見覚えがあるな」というくらいに馴染みがあるものから覚えていきましょう。
それだけでも単語の知識は増えていくはずです。
公式問題集は何冊必要?
TOEIC対策として公式問題集を使う際に、よく出てくる疑問として「公式問題集は何冊必要か」という話があります。
この点に関して、公式問題集で広い知識を得るために何冊も解きたいという人もいらっしゃるかと思います。
ですが、少なくともスコア600くらいまでは一冊を何度も解くほうがいいというのが私の考えです。
というのも、まだ力がついていない段階で手広く解いても、結局何も身に付かないおそれがあるからです。
公式問題集は本番のテストと同じレベルの問題が解ける貴重な問題集なので、せっかく解くなら、その効果を最大化できる使い方をしないともったいないです。
一冊に絞れば、身に付けるべき知識の範囲が明確になり、それを何度も繰り返し解くことで知識が着実に増えていきます。
一冊に絞って何度も解く意味とは?
何度も解けば答えを覚えてしまうから解く意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、何度も解く意味は別のところにあります。
何度も繰り返し解くというのは、スラスラ解けるようになるまで繰り返すということであり、それは答えを覚えるということではなく、答えを出すまでの過程が説明できるようになるまで解く、という意味です。
最初は解説を読んでようやく理解できていたような問題も、繰り返し解くうちに解説の内容までしっかり頭に入り、そのうち「それがなぜ正解なのか」というところまで理解して解けるようになります。
一冊の公式問題集でこれができるようになれば、リスニングもリーディングもかなり力がつきますので、新しい問題にも対応できるようになります。
ハイレベルな問題は気にしなくてOK
もちろん、一冊の中には解説を読んでもほとんど理解できない問題も含まれていますが、気にする必要はありません。
そのような問題は単にレベルが違うだけだからです。
TOEICは初級者から上級者まで全員が同じ問題を解くテストなので、レベルに応じてスコアの差がつくように作られています。
そのため、スコア900以上の上級者でも解けない問題も入っています。
このような「上級者でも解けない問題」が解けなくても気にする必要はありません。
まずは解説を読んで理解できる問題を何度も繰り返し解いて、基礎的な力をつけることに時間と労力をかけてください。
初心者は公式問題集だけでいい?
これからTOEICの勉強を始める初心者の方は、TOEICはいろいろな対策をしなければならないと思われているのではないでしょうか。
書店でもネットでも数多くのTOEIC対策関連の書籍や講座があるので、かなり手広く勉強しないと力がつかないのでは?と思われても無理はありません。
しかし、初心者であればあるほど公式問題集だけに絞るべきだと個人的には考えています。
というのも、TOEIC受験に必要な最低限の力が備わっていないうちに手を広げて勉強しても、ほとんど身に付かないからです。
勉強した直後は知識が身に付いた気になりますが、それは錯覚に過ぎません。
実際に新しい問題を解いてみると、知識が身に付いたという錯覚だったことが分かるはずです。
本当に自分のものになっている知識でない限り正解にたどり着けないというのがTOEICです。
何となく分かった気になった程度の知識は役に立ちません。
TOEICでスコアを稼ぐには「本当に自分のものになっている知識」をどれだけ増やせるかがポイントです。
そのためにも、勉強する範囲を絞って、その中で出てくる知識を確実に身に付けていく必要が あります。
初心者であればあるほど公式問題集に絞って、確実にスコアに結び付く知識を増やしていきましょう。
【結論】公式問題集を使う最大の目的はTOEICを知ること
これまでTOEIC公式問題集の使い方をご紹介したきましたが、最大の目的はTOEICを知ることです。
TOEICがどのようなテストなのか知らずに対策をしても、ゴールを知らずに走り出すのと同じで、狙うゴールにたどり着けるはずがありません。
できるだけ早い時点でTOEICを知ることが何より重要な対策です。
TOEICを知ることで自分に足りないものが明確になり、具体的な対策につながります。
最初はTOEICに求められる知識量や解答スピードに愕然とするかもしれませんが、全ては場数を踏み慣れることです。
ぜひこれまでご紹介してきた内容を参考に、公式問題集を使ったTOEIC対策を進めていってください。
【補足】公式問題集を解けるレベルでないならコレ!
ここまでTOEIC公式問題集の話を進めてきましたが、この公式問題集は通常のTOEICを想定して作られています。
したがって、問題の数も多いですし、解答スピードも速くなければなりません。
にも関わらず、あまり勉強が進んでいない段階で公式問題集に取り掛かってしまうと、全く解けずに挫折してしまう可能性があります。
せっかく勉強を始めようとしたのに、挫折してしまい勉強をやめてしまうのはもったいないですよね。
TOEICで目標のスコアを取りたいなら、勉強の手を止めることだけは避けなければなりません。
試しにTOEICの公式サイトに掲載されているサンプル問題を解いてみてください。
もしサンプル問題が全く分からないなら、通常のTOEICに手を出すのは早すぎるといえます。
そのような方は、TOEIC Bridge(トイックブリッジ)から始めるのもオススメです。
TOEIC Bridgeって何?
TOEIC Bridgeは、あまり知られていませんが、通常のTOEICと同じ国際ビジネスコミュニケーション協会が実施している初級者向けのテストです。
TOEIC Bridgeという名前の通り、通常のTOEICへの「架け橋」として、まだ通常のTOEICを受けるレベルに達していない人に向けた内容になっています。
問題数も解答時間も通常のTOEICの半分(100問、1時間)ですし、出題内容も日常生活を中心に扱われており、リスニングも少し遅いスピードで読み上げられます。
時々、TOEICを受ける前の準備として英検3級の勉強を始める人がいますが、TOEIC受験が目的なら、英検3級はオススメできません。
なぜなら、英検は3級でもライティングとスピーキングがあり、TOEICに直接は必要ないことまで勉強しなければならなくなるからです。
TOEIC受験が目的なら、その準備としてTOEIC Bridgeはピッタリです。
いきなりTOEICを目指して挫折するより、まずは初級者向けのTOEIC Bridgeから始める方がむしろ近道とも言えます。
「急がば回れ」です。
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