この記事ではTOEIC Bridgeのリーディングパート2「文章穴埋め問題」の対策についてご紹介いたします。
パート2は文法知識と読解力が必要になりますので、両者をバランスよく身に付け、スムーズに問題を解けるようにしておきましょう。
まずは例題にチャレンジ
Directions:You will read some short texts. Each one has three spaces where a word, phrase, or sentence is missing. For each space, choose the best answer to complete the text. Then mark the letter A, B, C, or D on your answer sheet.
【1】
Questions 1-3 refer to the following letter.
Dear Jack.
I was very glad to _(1)_ you last week. I showed the letter to my parents and they looked very happy. I’m really proud of being your friend. It’s been for a year _(2)_ you left for New York. I miss you so much, but I’m looking forward to _(3)_you again.
Sincerely.
David.
1.
(A)hear from
(B)bring about
(C)turn off
(D)look into
2.
(A)but
(B)if
(C)when
(D)since
3.
(A)see
(B)seeing
(C)seen
(D)sees
【2】
Questions 4-6 refer to the following text message.
Hi Jill. I’m very sorry. I will be late _(4)_ the meeting. My flight is _(5)_ because of something wrong with the system. So can you tell the manager that I have a new idea about the next project ? _(6)_
4.
(A)by
(B)after
(C)with
(D)for
5.
(A)finished
(B)supplied
(C)delayed
(D)helped
6.
(A)I want to explain the details later.
(B)I believe you were in the meeting room.
(C)I hope they will change the project.
(D)The manager told me about the system.
TOEIC Bridgeリーディングパート2の出題内容
TOEIC Bridgeのリーディングパート2は「文章穴埋め問題」です。
数行の文章に3つの空所があり、その空所に入る最も適切な語、句または文を選んで文章を完成させます。
文章全体の流れを把握した上で、文法上適切な語句や意味の通る単語、文を選ばなければならないので、文章を読み解く読解力と単語や文法に関する正確な知識が必要です。
文章は全部で5つあり、1つの文章に問題が3問なので、パート2の問題数は全15問となります。
TOEIC Bridgeリーディングパート2のポイント
リーディングパート2のポイントは下記の3点です。
・ポイント1:冒頭部分に注目してシチュエーションを把握する
・ポイント2:文章のまとまりごとに内容をつかむ
・ポイント3:シンプルに考える
実はポイント1と2は、リスニングパート4と共通しています。
リスニングパート4は「説明文問題」でしたね。
なぜ「文章穴埋め問題」であるリーディングパート2とのポイントと共通するのでしょうか。
それは、リスニングパート4もリーディングパート2も、話し手または書き手が一方的に情報を伝えようとしている点は同じだからです。
つまり、話して伝えるか、書いて伝えるかの違いに過ぎず、「話の流れや型」は基本的に変わりません。
どちらのパートも、相手の伝えたい内容を理解した上で問いに答える問題である以上、その内容を把握するためのポイントも必然的に同じになるということです。
では、ポイントを1つずつ見ていきましょう。
ポイント1:冒頭部分に注目してシチュエーションを把握する
先ほども書いたように、リーディングパート2で出される文章は、書き手が一方的に情報を伝えようとしているものです。
ですので、どのような用件の文章なのか、という情報は冒頭部分に置かれる場合が多くなります。
また、色々な種類の文章が扱われるので、リスニングパート4と同じく導入部分もヒントになります。
導入部分とは、Questions ○-○ refer to the following ~. の部分ですね。
この部分に「notice(お知らせ)」や「message(メッセージ)」など文章の種類が示されているので、ここがシチュエーションを把握する出発点です。
そして、その導入に続く冒頭部分では「誰が、誰に、何のために」書いた文章なのかに着目しましょう。
ここでシチュエーションをつかむことができれば、文章全体の意味も把握しやすくなるので、冒頭部分が大事になってくるということですね。
ポイント2:文章のまとまりごとに内容をつかむ
リーディングパート2も「前半・後半」または「序盤・中盤・終盤」のように、2つから3つほどのまとまりで文章の内容を把握しましょう。
当然ながら書き手は何かを伝えようとしてその文章を書いているので、めちゃくちゃな流れにはなっていません。
内容が読み手にきちんと伝わるような流れで書いています。
ですので、その流れに沿って読んでいけば、書き手が伝えたい内容も理解しやすくなるからです。
しかも、リーディングはリスニングと違って何度も文章を読み返すことができるので、リスニングほど神経をとがらせる必要はありません。
導入部分から最後まで落ち着いて読み進めていってください。
ポイント3:シンプルに問いに答える
これは「対策」と呼ぶほどのものではないかもしれませんが、大事なことなのでポイントとして挙げておきます。
TOEIC Bridgeのリーディングパート2は文章を読む作業と穴を埋める作業が必要になります。
このような問題の場合、少しでも効率的に解こうとして、あの手この手のテクニックが編み出されがちです。
例えば、空所の直前に前置詞があるから空所には動名詞が入る、という具合いに空所の前後だけを読んで穴を埋めようとする解き方です。
確かに、そのような解き方で正解を導くことができる場合もあります。
ですが、TOEIC Bridgeのリーディングパート2ぐらいの文章量であれば、そのようなテクニックに頼るより正面から解いていく方がいいと僕は考えています。
というのも、リーディングパート2では文章全体の意味を把握しないと解けない問題も出されるため、結局全部を読まなければならず二度手間になってしまうからです。
特にTOEIC Bridgeのように時間との戦いになるテストでは、このような二度手間が精神的なダメージになる恐れがあります。
であれば、最初から全部を読むつもりで臨む方が良いのではないでしょうか。
リーディングパート2で出される問題を大きく分けると、
・適切な単語を選ぶ問題
・文法上正しい形を選ぶ問題
・適切な文を選ぶ問題
という3種類ですが、結局やるべきことは1つ。
全体を通して意味の通る文章にする、ということだけです。
つまり、選ぶものが何であれ、文章全体の意味や前後の流れから最適なものは何かを判断すればOK。
問われていることにシンプルに答えるだけです。
あまり細かいことやテクニック的なことを気にしたり、無理に効率的な解き方を考えたりする必要はありません。
もちろん慣れないうちは最初に文章を一読してから空所に入るものを判断していく方が確実ですが、最終的には文章を読みながら同時に穴埋めもできるようになることがベストです。
練習を繰り返して少しずつ慣れるようにしていってください。
例題をチェック
それでは以上のポイントをもとに、例題をチェックしてみましょう。
【例題1】の解説
Questions 1-3 refer to the following letter.
Dear Jack.
I was very glad to _(1)_ you last week. I showed the letter to my parents and they looked very happy. I’m really proud of being your friend. It’s been for a year _(2)_ you left for New York. I miss you so much, but I’m looking forward to _(3)_you again.
Sincerely.
David.
まずは導入から冒頭部分のまとまりを見てみます。
Questions 1-3 refer to the following letter.
(問題1から3は次の手紙に関するものです。)
「手紙」ということは家族や友人とのやり取りである可能性が高いですね。
これぐらいの予測を立てつつ冒頭部分に入ります。
Dear Jack.
I was very glad to _(1)_ you last week.
Dear ~ は手紙の冒頭に掛かれる定番表現です。
よく「親愛なる~へ」という訳が当てられます。
この表現は誰に対する手紙でも使われるので、これで相手を特定することはできません。
冒頭部分の第2文を見てみます。
I was very glad to _(1)_ you last week.
ここで最初の空所ですね。
選択肢には
(A)hear from
(B)bring about
(C)turn off
(D)look into
の4つが挙がっています。
手紙の冒頭部分に I was very glad to _(1)_ you last week. と書かれていれば、答えは迷わず出てくると思います。
(A)hear from(~から手紙をもらう)
(B)bring about(~を引き起こす)
(C)turn off(~を消す)
(D)look into(~を調べる)
もちろん(A)ですね。
I was very glad to hear from you last week.(先週、君から手紙をもらってとても嬉しかったよ。)という意味になります。
もし空所に入っても問題なさそうな選択肢が2つ以上あれば、これ以降の文も読んだ上で判断する必要がありますが、本問の場合、他の選択肢はどれも意味的に適切でないことが明らかです。
このような問題を迷わず解けるようになることがスコアアップと時間短縮につながりますので、普段から単語や文法の知識は正確に身に付けるように心がけてください。
では次のまとまりを見てみましょう。
I showed the letter to my parents and they looked very happy. I’m really proud of being your friend. (手紙を両親にも見せたんだけど、すごく幸せそうだった。君と友達でいられることを本当に誇りに思ってる。)
このまとまりには空所がないので、バーッと読んで内容を把握しましょう。
ここまで読むと手紙の書き手が友人であることが分かりますね。
それでは最後のまとまりです。
It’s been for a year _(2)_ you left for New York. I miss you so much, but I’m looking forward to _(3)_you again.
Sincerely.
David.
最初の文に空所がありますね。
It’s been for a year _(2)_ you left for New York.
(A)but(しかし~)
(B)if(もし~)
(C)when(~する時)
(D)since(~して以来)
It’s been=It has been という完了形です。
選択肢の中でこの空所に入る最も適切な接続詞は(D)since(~して以来)ですね。
left for は leave for (~へ向けて出発する、~に旅立つ)の過去形です。
この文は、It’s been for a year since you left for New York.(君がニューヨークへ行ってから1年だね。)という意味になります。
そして、次の文にも空所がありますが、ごく基本的な知識なので、自信を持って答えられるようにしておきたいところです。
I miss you so much, but I’m looking forward to _(3)_ you again.
(A)see(原形)
(B)seeing(現在形・動名詞)
(C)seen(過去分詞)
(D)sees(三人称・単数・現在のS)
look forward to ~(~するのを楽しみにする)の目的語は動名詞です。
to があるから不定詞つまり原形、と早とちりしないように注意してください。
この文は、I miss you so much, but I’m looking forward to seeing you again.(とても寂しいけど、また会えるのを楽しみにしてるよ。)という意味になります。
ちなみに、この文で使われている miss は「~がいなくて寂しく思う」という意味です。
パート2の Directions(問題の説明)で missing という単語が使われていますが、これは「欠けている、抜けている」という意味の形容詞。
いかにもテストの問題になりやすそうな知識ですよね。
普段の勉強の中でこういった知識が出てくるたびに頭に入れていけば、徐々に英語の力はついていきますのでコツコツと続けていきましょう。
それでは、最後。
Sincerely.(敬具)
これは手紙の結びです。
sincerely は「心から、本当に」という意味の副詞ですが、日本語の「敬具」のように手紙の最後で使われることがあります。
「敬具」を表す他のフレーズとして
・Sincerely yours.
・Best regards.
・With best wishes.
などがありますが、手紙の最後に出てきた時に結びの表現だと判断できれば十分です。
以上、【例題1】の解説でした。
完成した文章は以下のようになります。
Dear Jack.
I was very glad to hear from you last week. I showed the letter to my parents and they looked very happy. I’m really proud of being your friend. It’s been for a year since you left for New York. I miss you so much, but I’m looking forward to seeing you again.
Sincerely.
David.
(ジャックへ。先週、君から手紙をもらってとても嬉しかったよ。手紙を両親にも見せたんだけど、すごく幸せそうだった。君と友達でいられることを本当に誇りに思ってる。君がニューヨークへ行ってから1年だね。とても寂しいけど、また会えるのを楽しみにしてるよ。敬具。デヴィッドより。)
【例題2】の解説
Questions 4-6 refer to the following text message.
Hi Jill. I’m very sorry. I will be late _(4)_ the meeting. My flight is _(5)_ because of something wrong with the system. So can you tell the manager that I have a new idea about the next project ? _(6)_
【例題2】も導入文からチェックしてみます。
Questions 4-6 refer to the following text message.(問題4から6は次のテキストメッセージに関するものです。)
導入文には「テキストメッセージ」とあります。
スマホに届くメールやショートメールなどですね。
ということは、ちょっとした用件または急な連絡だと想像できます。
次に本文に入りますが、この文章は前半・後半の2つのまとまりに分かれています。
少し長くなりますが、まずは前半からです。
Hi Jill. I’m very sorry. I will be late _(4)_ the meeting. My flight is _(5)_ because of something wrong with the system.
Hi Jill. I’m very sorry.
(やあ、ジル。本当に申し訳ない。)
Hi Jill.(やあ、ジル。)と挨拶も簡単に済ませているので、近い間柄だと分かりますね。
それ以外、冒頭部分は特に問題ないかと思います。
そして、次の文から空所が出てきます。
I will be late _(4)_ the meeting.
(A)by
(B)after
(C)with
(D)for
(4)に入る前置詞はどれでしょうか?
これも基礎的なフレーズです。
(D)for(~へ向けて)ですね。
be late for ~で「~に遅れる」ですので、I will be late for the meeting.(会議に遅れそうなんだ。)という意味になります。
ちなみに、選択肢に挙げられた他の前置詞は下記のような意味です。
(A)by(~によって)
(B)after(~の後に)
(C)with(~と一緒に)
では次の文をチェックしましょう。
ここにも空所があります。
My flight is _(5)_ because of something wrong with the system.
(A)finished(finish「~を終える」の受動態)
(B)supplied(supply「~を供給する」の受動態)
(C)delayed(delay「~を遅らせる」の受動態)
(D)helped(help「~を助ける」の受動態)
選択肢に挙がっているのは全て他動詞の受動態ですが、意味が通るのはどれでしょうか。
正解は(C)delayed です。
My flight is delayed because of something wrong with the system.(システム上のトラブルが原因で飛行機が遅れてるんだ。)という文になります。
この delayed という単語は、悪天候や機器の不具合などが原因で交通機関が遅れている、といった分脈でよく出てくるので覚えておきましょう。
原形の delay は「~を遅らせる」という意味なので、「遅れている」と言いたい場合は受動態(=受け身)にするのがポイントです。
以上が前半のまとまりです。
内容は「システムトラブルで飛行機が遅れるので、会議に遅れそう」というものでした。
それでは後半の解説に入ります。
So can you tell the manager that I have a new idea about the next project ? _(6)_
後半最初の文は特に難しい点はないかと思います。
that ~ の内容をマネージャーに伝えてくれないか?と頼んでいる文です。
その that ~ は、「次のプロジェクトについて新しいアイデアを持っている」という内容ですね。
そして最後の空所。
ここには、これまでの流れを前提として、選択肢の中から最も適切な文を入れなければなりません。
(A)I want to explain the details later.
(僕は後で詳細を説明したい。)
(B)I believe you were in the meeting room.
(僕は君が会議室にいたと信じている。)
(C)I hope they will change the project.
(僕は彼らがプロジェクトを変えてくれることを望んでいる。)
(D)The manager told me about the system.
(マネージャーは僕にシステムのことを教えてくれた。)
「会議に遅れるけど、プロジェクトに関してアイデアがあるということをマネージャーに伝えてほしい」という全体の流れを踏まえると、答は(A)であることが分かるかと思います。
他の選択肢には meeting や project、manager、systemなど、本文に出てくる単語が使われていますが、こういうものに惑わされないように、本文も選択肢もしっかり読んで回答してください。
以上、【例題2】の解説でした。
完成した文章は以下のようになります。
Hi Jill. I’m very sorry. I will be late for the meeting. My flight is delayed because of something wrong with the system. So can you tell the manager that I have a new idea about the next project? I want to explain the details later.
(やあ、ジル。本当に申し訳ない。会議に遅れそうなんだ。システム上のトラブルが原因で飛行機が遅れてるんだ。だから、次回のプロジェクトについて僕に新しいアイデアがあるということをマネージャーに伝えてもらえないかな。後で詳細を説明したいんだ。)
最後に
いかがでしたか?
リーディングパート2は単語、文法知識と読解力が要求されるので大変に感じるかもしれませんが、腰を据えてじっくり取り組めば徐々にコツがつかめてくると思います。
本文にも書いたように、正面から文章を読み、全体として意味が通るように空所を埋める、とシンプルに考えて練習を続けてください。