この記事ではTOEIC Bridgeのリスニングパート4「説明文問題」の対策についてご紹介します。
リスニングパート4は1人のトークを聞いて質問に答える形式なので、パート3との共通点も多いですが、パート4特有のポイントもありますので、しっかりと対策を取るようにしてください。
まずは例題にチャレンジ
ここではオリジナルの例題を使いながら説明していきます。
まずはこの例題にチャレンジしてみてください。
↓以下の再生ボタンをクリックすると【例題】の音声が流れます。(音声は個人的にパソコンを使って作成したもので、本物の話者ではありません。あらかじめご了承ください。)
【問題の説明】
【例題1】
1. What is the purpose of the message?
(A)To order a new computer.
(B)To ask about a coupon.
(C)To request repairs.
(D)To tell about completed work.
2. What service does the speaker offer ?
(A)Repair.
(B)Discount.
(C)Return.
(D)Exchange.
【例題2】
3. Who most likely are the listeners?
(A)Movie actors.
(B)Audiences.
(C)Employees.
(D)Ticket sellers.
4. Look at the list. Which movie is free?
(A)A King’s diary.
(B)The Dark Heaven.
(C)From the Deep Sea.
(D)Reason of Battle.
TOEIC Bridgeリスニングパート4の出題内容
TOEIC Bridgeのリスニングパート4は、1人の話し手のトークを聞き、そのトークに関する質問に答える問題です。
トークのみを聞いて答える問題だけでなく、図表と照らし合わせて答える問題もあります。
よく出題されるトークのシチュエーションは商品やサービスの説明、イベントや施設の案内、注文や依頼の電話メッセージなど。
トークの内容は、ビジネスに関するものから日常的な話題まで扱われますので、その話し手も顧客、店舗スタッフ、案内係、会社の同僚や上司から家族や友人などが多くなります。
トークの文章は印刷されていませんが、質問と選択肢は印刷されています。
問題数は14問。
1つのトークに関してに2つの質問があり、トークは全部で7つありますので、問題数は合計14問となります。
TOEIC Bridgeリスニングパート4のポイント
ここからはTOEIC Bridgeリスニングパート4のポイントを解説します。
リスニングパート4は1人のトークを聞いて質問に答える問題ですので、2人の会話を聞いて質問に答えるパート3と基本的なポイントは同じですが、パート3と異なる点もありますので、そこもしっかり押さえるようにしてください。
リスニングパート4のポイントは、
・シチュエーションをつかむ
・キーワードを聞き取る
・話し手または聞き手の行動や状況を把握する
・トークのまとまりをとらえる
という4点です。
最初の3つの点はパート3と同じですが、最後に1つパート4特有のポイントが加わっています。
また、最初の「シチュエーションをつかむ」という点に関してもパート3とは異なるポイントがあります。
以下で1つずつ見ていきましょう。
ポイント1:シチュエーションをつかむ
リスニングパート4もトークのシチュエーションをつかむことが大事である点はパート3と変わらず、冒頭部分にヒントとなる情報がたくさんあるので、集中して聞くようにしましょう。
やはりパート4でも(1)どこで(2)誰が(3)何のために行っているトークなのかを押さえる必要があります。
(1)どこで・・・電話、お店、イベント会場など
(2)誰が・・・家族や友人、会社の同僚や上司、お店のスタッフやイベントの接客係など
(3)何のために・・・依頼、案内、説明など
特にパート4では問題に入る時の導入文もヒントになるので覚えておいてください。
どういうことかと言うと、パート4はトークの種類がいくつかあり、それに応じて導入文も異なります。
例えば、”Questions No.1 and No.2 refer to the following talk.(問題1と2は次の話に関するものです。)” や”Questions No.3 and No.4 refer to the following telephone message.(問題3と4は次の電話メッセージに関するものです。)”など。
そして、この”following ○○”には、トークの種類を示す言葉が入るので、ここもヒントになるということです。
どんな種類のトークなのか分かっていれば、心の準備ができますからね。
これはパート4特有のヒントですので、意識して聞き取るようにしましょう。
(ちなみにパート3はどの問題も2人の会話文なので、導入文もすべて”refer to the following conversation”(次の会話に関するもの)となっており、こちらは特にヒントになりません。)
ポイント2:キーワードを聞き取る
リスニングパート4でもキーワードの重要性はパート3と変わりません。
ただ、パート3ではシチュエーションを直接表すキーワードだけでなく、間接的に表すキーワードもよく出てきますが、パート4では直接的なキーワードが多くなります。
というのも、パート4は1人の話し手が一方的に情報を伝えることになるので、明確で分かりやすい内容でなければならないからです。
当然そういうキーワードは強く発音されるので、しっかり聞き取ることが大切です。
ポイント3:話し手または聞き手の行動や状況を把握する
リスニングパート4でも、話し手または聞き手の行動や状況はよく問われます。
さらに図表に関連する問題も出されますので、トークを耳で聞き、図表を目で見なければなりません。
したがって、耳から入る情報と目から入る情報を上手に結び付けられるようにしておきましょう。
ポイント4:トークのまとまりをとらえる
リスニングパート4は1人の話し手が特定の目的を持って行うトークですので、ある程度決まった流れがあります。
起承転結とまではいかないまでも、前半・後半、または序盤・中盤・終盤のように、トークが2つまたは3つのまとまりになっているということです。
もちろんパート3にも会話のまとまりが無い分けではありませんが、パート4の方が情報の量が多いので、まとまりを意識してトークを聞くと、より内容を把握しやすくなります。
例題をチェック
それでは、ここまで見てきたポイントを踏まえて例題をチェックしていきましょう。
【例題1】
1. What is the purpose of the message?
(A)To order a new computer.
(B)To ask about a coupon.
(C)To request repairs.
(D)To tell about completed work.
2. What service does the speaker offer ?
(A)Repair.
(B)Discount.
(C)Return.
(D)Exchange.
【例題1】のトーク
Questions No.1 and No.2 refer to the following telephone message.
(問題1と2は次の電話メッセージに関するものです。)
Hello. This is Pacific Electronics. We have finished repairing your computer. We are very sorry for being late. So, please let us give you a 10 percent off coupon. You can use it anytime. We are open every day, and we will be waiting for your visit. Thank you.
(こんにちは。こちらはパシフィック・エレクトロニクスです。コンピューターの修理が終わりました。遅くなり大変申し訳ありません。そこで10パーセントの割り引きクーポンを差し上げます。いつでもご利用ください。当店は毎日開いており、お客様のご来店をお待ちしています。ありがとうございました。)
まず、トークの導入文をチェックしましょう。
Questions No.1 and No.2 refer to the following telephone message.
(問題1と2は次の電話メッセージに関するものです。)
「電話メッセージ」ということは、最初に名前を名乗って、電話した用件を告げるのではないかと予測することができます。
前もってこのように予測が立てられれば、本文の内容も把握しやすくなりますよね。
それでは本文です。
Hello. This is Pacific Electronics. We have finished repairing your computer.
(こんにちは。こちらはパシフィック・エレクトロニクスです。コンピューターの修理が終わりました。)
やはり電話メッセージの冒頭は、名前と電話の用件です。
“finished repairing your computer”という重要なキーワードもここに出ています。
という訳で、冒頭の部分で明らかになったのは以下の3点。
・どこで:電話
・誰が:店のスタッフ
・何のために:修理完了の報告
パート4でもシチュエーションを把握するために冒頭部分が大事であることは、パート3と同じですね。
それでは続く3つの文を見てみましょう。
We are very sorry for being late. So, please let us give you a 10 percent off coupon. You can use it anytime.
(遅くなり大変申し訳ありません。そこで10パーセントの割り引きクーポンを差し上げます。いつでもご利用ください。)
この部分はコンピューターの修理そのものではなく、「遅くなったため10パーセントのクーポンをどうぞ」という内容です。
話し手の申し出ている行動がここで明らかになります。
ここにも”sorry for being late”や”10 percent off coupon”などのキーワードが出てきているので、聞き逃さないようにしてください。
そして最後の部分。
We are open every day, and we will be waiting for your visit. Thank you.
(当店は毎日開いており、お客様のご来店をお待ちしています。ありがとうございました。)
ここで出てくるキーワードは”open every day”あたりでしょうか。
他に何か具体的な内容が述べられている訳ではありませんからね。
以上のように、このトークは大きく3つのまとまりに分けることができます。
以上が【例題1】のトークでした。
【例題1】の質問
では【例題1】の質問を見ていきます。
1. What is the purpose of the message?
(メッセージの目的は何ですか?)
(A)To order a new computer.
(新しいコンピューターを注文する。)
(B)To ask about a coupon.
(クーポンについて尋ねる。)
(C)To make an appointment.
(予約を入れる。)
(D)To tell about completed work. ←正解
(完了した仕事を伝える。)
メッセージの冒頭で”We have finished repairing your computer. “(コンピューターの修理が終わりました。)と用件を伝えています。
2. What service does the speaker offer ?
(話し手はどんなサービスを申し出ていますか?)
(A)Repair.(修理)
(B)Discount.(割引) ←正解
(C)Return.(返品)
(D)Exchange.(交換)
2つ目のまとまりで話し手は”please let us give you a 10 percent off coupon.”(10パーセントの割り引きクーポンを差し上げます。)と述べています。
【例題2】
3. Who most likely are the listeners?
(A)Movie actors.
(B)Audiences.
(C)Employees.
(D)Ticket sellers.
4. Look at the list. Which movie is free?
(A)A King’s diary.
(B)The Dark Heaven.
(C)From the Deep Sea.
(D)Reason of Battle.
【例題2】のトーク
Questions No.3 and No.4 refer to the following announcement and list.
(問題3と4は次のお知らせと表に関するものです。)
Hi everyone! Welcome to World Historical Theater! We are showing very popular historical movies. And we have a big screen on each floor. Now you can watch the movie on the first floor for free, but you have to buy a ticket on the other floors. We hope you will enjoy.
(やあ、みなさん!世界歴史劇場へようこそ!当劇場はとても人気のある歴史映画を上映しており、各階に大きなスクリーンがあります。ただ今1階では無料で映画をご覧いただけますが、他の階ではチケットをお買い求めいただく必要があります。それではお楽しみください。)
【例題2】も導入文からチェックします。
Questions No.3 and No.4 refer to the following announcement and list.
(問題3と4は次のお知らせと表に関するものです。)
「お知らせと表」とあるので、お知らせの情報と表の内容を関連させて理解しなければならない問題だと分かります。
【例題2】のようなお知らせの問題も冒頭部分から重要なキーワードが出てくるので、しっかり聞き取るようにしましょう。
ここから本文の解説に入ります。
Hi everyone! Welcome to World Historical Theater!
(やあ、みなさん!世界歴史劇場へようこそ!)
少し短いですが、ここまでを1つのまとまりとして見てみます。
とりあえずこの部分で
・場所は劇場
ということが分かりますね。
では次です。
We are showing very popular historical movies. And we have a big screen on each floor.
(当劇場はとても人気のある歴史映画を上映しており、各階に大きなスクリーンがあります。)
ここでは
・人気の歴史映画が上映中
・各階に大きなスクリーンがある
という劇場の状況が述べられています。
そして最後のまとまりです。
Now you can watch the movie on the first floor for free, but you have to buy a ticket on the other floors. We hope you will enjoy.
(ただ今1階では無料で映画をご覧いただけますが、他の階ではチケットをお買い求めください。それでは楽しんでくださいね。)
この部分で、話し手は
・1階の映画は無料
・他の階ではチケットが必要
という劇場のシステムを説明しています。
そして、このトークは”Hi everyone !”(やあ、みなさん!)という声掛けから始まり、終りの方で場内のシステムを説明していますので、話し手は劇場スタッフ、聞き手は観衆であることが分かります。
【例題2】の質問
それでは、以上の内容をもとに【例題2】の質問をチェックしましょう。
3. Who most likely are the listeners?
(聞き手は誰だと思われますか?)
(A)Movie actors.(映画俳優)
(B)Audiences.(観衆) ←正解
(C)Employees.(従業員)
(D)Ticket sellers.(チケット販売者)
話し手は劇場スタッフ、聞き手は観衆でしたね。
4. Look at the list. Which movie is free?
(表を見てください。どの映画が無料ですか?)
(A)A King’s Diary.(王の日記) ←正解
(B)The Dark Heaven.(暗い天国)
(C)From the Deep Sea.(深海より)
(D)Reasnons of the Battle.(戦いの理由)
“you can watch the movie on the first floor for free”(1階では無料で映画をご覧いただけます)とあるので、表と照らし合わせて無料の映画は1階の「A King’s Diary.(王の日記)」だと分かります。
最後に
いかがでしたか?
パート4はTOEIC Bridgeリスニングの最後のパートです。
いくつかのポイントがありますので、何度も繰り返し練習してください。
そして、このパートを良い形で乗り切り、テスト後半のリーディングに入っていきましょう。