この記事ではTOEIC Bridgeのリスニングパート3「会話問題」の対策についてご紹介します。
リスニングパート3は会話の内容を聞いた上で質問に答える形式ですので、会話の最初から最後まで気が抜けません。
特に会話の冒頭部分には重要なヒントが隠れていることが多いので、神経を集中させる必要があります。
まずは例題にチャレンジ
ここではオリジナルの例題を使いながら説明していきます。
まずはこの例題にチャレンジしてみてください。
↓以下の再生ボタンをクリックすると【例題】の音声が流れます。(音声は個人的にパソコンを使って作成したもので、本物の話者ではありません。あらかじめご了承ください。)
【問題の説明】
【例題1】
1.Where most likely are the speakers?
(A)At an office.
(B)At a zoo.
(C)At a parking lot.
(D)At a station.
2.What does the woman offer to do ?
(A)Meet the manager.
(B)Go to the meeting room.
(C)Cancell an order.
(D)Tell coworkers about cancellation.
【例題2】
1.What are the speakers mainly talking about?
(A)Weather.
(B)Price.
(C)Time.
(D)Place.
2.Look at the schedule. Which flight will the man take?
(A)Flight No.1
(B)Flight No.2
(C)Flight No.3
(D)Flight No.4
TOEIC Bridgeリスニングパート3の出題内容
TOEIC Bridgeのリスニングパート3は2人の会話を聞き取り、その内容に関する質問に答える問題です。
単純に2人の話し手が会話をしているパターンと、看板や請求書、メニューなどの図表に関する会話をしているパターンがあります。
会話の内容は友達同士の会話や、お店・ホテルの客と従業員の会話、会社でのビジネスに関する会話などです。
会話は音声のみで印刷されていませんが、質問文は音声が流れ印刷もされています。
したがって、まずは最初の会話を聞き取ることに神経を集中させることが何よりも重要です。
会話自体は長いものではありません。
下のように、多くて3往復ほどの言葉のやり取りがある程度です。
A:○○○○
B:✕✕✕✕
A:○○○○
B:✕✕✕✕
A:○○○○
B:✕✕✕✕
問題数は全部で10問。
1つの会話に対し問題が2つ用意されており、会話は全部で5個ありますので、問題数は合計10問となります。
TOEIC Bridgeリスニングパート3のポイント
ここからはTOEIC Bridgeリスニングパート3のポイントを3つ解説します。
ポイント1:シチュエーションをつかむ
リスニングパート3は、まず2人の会話をしっかり聞き取ることが出発点。
特に会話の冒頭でシチュエーションのヒントとなる発言が出てくる場合が多いので、会話の始まりに意識を向けましょう。
会話のシチュエーションとして押さえるべき点は、(1)どこで(2)誰と誰が(3)何のために行っている会話なのかという3つです。
(1)どこで・・・お店や学校、ホテル、会社など
(2)誰と誰が・・・友達や家族、客とスタッフ、職場の同僚または上司と部下など
(3)何のために・・・相談、注文、買い物、報告、依頼など
これらが代表的なシチュエーションですので、ある程度予想しながら聞くと良いでしょう。
ポイント2:キーワードを聞き逃さない
ポイント1で挙げた「どこで、誰と誰が、何のために」という点をつかむために重要になるのがキーワードです。
これには、シチュエーションを直接表すキーワードだけでなく、間接的に表すキーワードもあります。
例えば、会話の冒頭で”Welcome to Sea Side Hotel.”(シーサイドホテルへようこそ)という発言があれば、「Hotel」という直接的なキーワードがあるため、ホテルでの会話であることが分かりますよね。
しかし、必ずしもこのように直接的なキーワードばかりが出てくる訳ではありません。
間接的なキーワードからシチュエーションを想像しなければならない問題もよく出題されます。
例えば”Excuse me.Check out, please.”(すみません、チェックアウトお願いします)という発言から会話が始まるような場合です。
この場合「Check out」という、ホテルでよく使われる言葉がキーワードとなります。
こういったキーワードは最も相手に伝えたい内容であり、通常は他の言葉より強く発音されるので、これを聞き逃さないようにしましょう。
ポイント3:行動や心境、状況に着目する
リスニングパート3では、登場人物の行動や心境、周囲の状況などが問われるパターンがよくあります。
もちろん、この場合も上で述べたように間接的なキーワードから考える問題が少なくありません。
さらにそれが【例題2】のように図表に関連して出題されると、より複雑になるので、普段の勉強で慣れておく必要があります。
ポイントを踏まえて例題をチェック
それでは、以上のポイントを踏まえて2つの例題を見てみましょう。
【例題1】
1.Where most likely are the speakers?
(A)At an office.
(B)At a zoo.
(C)At a parking lot.
(D)At a station.
2.What does the woman offer to do ?
(A)Meet the manager.
(B)Go to the meeting room.
(C)Cancell an order.
(D)Tell coworkers about cancellation.
【例題1の会話】
Hi, Janet. Do you know the meeting has been cancelled ?
(やあ、ジャネット。会議が中止になったって知ってる?)
Hi, Peter. Is it real ? Why is it ?
(あら、ピーター。本当?どうして?)
I don’t know. But the manager told me so.
(分からないけど、マネージャーにそう言われたんだ。)
I see. Have you told everybody ?
(そうなの。みんなには伝えた?)
No, not yet.
(いや、まだ。)
OK. I will let them know.
(分かった。私が知らせておくわ。)
まず、冒頭は“Hi, Janet.(やあ、ジャネット。)”と軽い感じで始まっているので、話し手同士が顔見知りの近い間柄であることが分かります。
そして“Do you know the meeting has been cancelled ?(会議が中止になったって知ってる?)”という文が続き、ここに“meeting(会議)”や”cancelled(中止された)”というキーワードが出てきます。
また、会議は会社で行われることが多いので、場所が「会社」だと分かります。(学校や家族でも会議が開かれることはありますが、そこまで考える必要はありません。)
以上より、この1文で以下の3点が明らかになります。
・場所:会社
・話し手:顔見知り
・話題:会議が中止になったこと
いかがでしょうか?
この問題では”Hi, Janet.Do you know the meeting has been cancelled ?”という最初の文がとても重要だということがお分かり頂けたのではないかと思います。
次に2番目、3番目の発言です。
Hi, Peter. Is it real ? Why is it ?
(あら、ピーター。本当?どうして?)
I don’t know. But the manager told me so.
(分からないけど、マネージャーにそう言われたんだ。)
女性が男性と同じく”Hi, Peter.”と軽く返しており、さらに”manager”が別にいることから、2人は職場の同僚であることが予想できますね。
したがって、この問題では、会話の前半でシチュエーションを確定できます。
では後半です。
I see. Have you told everybody ?
(そうなの。みんなには伝えた?)
No, not yet.
(いや、まだ。)
OK. I will let them know.
(分かった。私が知らせておくわ。)
この後半部分では
・男性は他の人には伝えていない
・女性が他の人に知らせると言っている
ということが分かります。
以上がこの会話のポイントとなります。
【例題1の質問】
それでは、質問を見てみましょう。
ここまで聞き取れれば、回答は簡単ではないでしょうか。
1.Where most likely are the speakers?
(話し手達はどこにいると思われますか?)
(A)At an office.(オフィス)←正解
(B)At a zoo.(動物園)
(C)At a parking lot.(駐車場)
(D)At a station.(駅)
場所は会社であることが、会話の前半で明らかになっていますね。
2.What does the woman offer to do ?
(女性は何をすると申し出ていますか?)
(A)Meet the manager.
(マネージャーに会う)
(B)Go to the meeting room.
(会議室に行く)
(C)Cancell an order.
(注文を取り消す)
(D)Tell coworkers about cancellation.←正解
(同僚たちに中止を伝える)
(A)manager(B)meeting(C)cancell と、会話の中で出てくる単語が選択肢にも使われていますが、こういった言葉に惑わされないようにしてください。
let them know(彼らに知らせる=tell them)という表現は、”Please let me know.”や”I will let you know”といった形でよく出てきますので覚えておきましょう。
【例題2】
1.What are the speakers mainly talking about?
(A)Weather.
(B)Price.
(C)Time.
(D)Place.
2.Look at the schedule. Which flight will the man take?
(A)Flight No.1
(B)Flight No.2
(C)Flight No.3
(D)Flight No.4
【例題2の会話】
May I help you ?
(いらっしゃいませ。)
Yes. Can I buy an airplane ticket to Stone Hill ?
(ストーンヒルへの航空券を買いたいのですが。)
Certainly, sir.
(かしこまりました。)
How long does it take from Water Circle ?
(ウォーターサークルからどれくらいかかりますか?)
About two hours.
(約2時間です。)
Actually, I’d like to arrive by noon.
(実は、昼までには着きたいんです。)
※ストーンヒルもウォーターサークルも架空の空港です。
まず冒頭です。
May I help you ?(いらっしゃいませ。)というのは接客の基本フレーズですね。
ここから話し手は「客とスタッフ」ではないかと予測がつきます。
そして次の発言。
Yes. Can I buy an airplane ticket to Stone Hill ?
(ストーンヒルへの航空券を買いたいのですが。)
ここで“buy an airplane ticket(航空券を買う)”というキーワードが出てきます。
場所はおそらく航空券が買える所、つまり空港のカウンターやチケット販売所など。
目的地はストーンヒルです。
以上、2つの発言から下の3点が分かります。
・場所:航空券が買えるカウンターなど
・話し手:客とスタッフ
・話題:航空券を買いたい
やはりこの問題でも、シチュエーションを把握するために冒頭部分が大事ですね。
次に、Certainly, sir.(かしこまりました。)というスタッフの返事があり、会話は後半に入ります。
How long does it take from Water Circle ?
(ウォーターサークルからどれくらいかかりますか?)
About two hours.
(約2時間です。)
“How long does it take ~”は、時間がどれくらいかかるかを尋ねる定番の表現です。
これに”About two hours.”と答えているので、ウォーターサークルから2時間かかることが分かります。
そして最後の発言で男性の事情が分かります。
Actually, I’d like to arrive by noon.
(実は、昼までには着きたいんです。)
というわけで、会話の後半では
・ウォーターサークルから2時間かかる
・男性は昼までに着きたがっている
この2点が明らかになりました。
【例題2の質問】
以上のポイントを押さえたうえで、質問を見てみます。
1.What are the speakers mainly talking about?
(話し手達は主に何について話していますか?)
(A)Weather.(天気)
(B)Price.(値段)
(C)Time.(時間)←正解
(D)Place.(場所)
客とスタッフはウォーターサークルからの飛行時間を話しています。
2.Look at the schedule. Which flight will the man take?
(予定表を見てください。男性はどの便に乗るでしょうか?)
(A)No.1(1番)←正解
(B)No.2(2番)
(C)No.3(3番)
(D)No.4(4番)
男性は最後の発言で「昼までに着きたい」と言っているので、11時に到着する予定の1番に乗ると思われます。
最後に
いかがでしたか?
TOEIC Bridgeのリスニングパート3は、会話の内容を聞き取ることに神経を集中させなければなりません。
ただ、ポイントを押さえて聞く練習をすれば、コツはつかめると思います。
何度も繰り返して練習するようにしてくださいね。