この記事ではTOEIC Bridgeのリスニングパート2「応答問題」の対策についてご紹介します。
パート2はTOEIC Bridgeのリスニングの中で最も問題数が多いパートですので、ここを得意分野にして大きく点数を伸ばしましょう。
まずは例題にチャレンジ
ここではオリジナルの例題を使いながら説明していきます。
まずはこの例題にチャレンジしてみてください。
↓以下の再生ボタンをクリックすると【例題】の音声が流れます。(音声は個人的にパソコンを使って作成したもので、本物の話者ではありません。あらかじめご了承ください。)
【問題の説明】
【例題1】
(A) No, she isn’t.
(B) About three times.
(C) Yes, I am.
(D) I bought a new tire.
【例題2】
(A) Yes, we did it.
(B) The day before yesterday.
(C) She couldn’t meet him.
(D) He thought about it.
【例題3】
(A) He is a famous guitarist.
(B) Oh, really?
(C) Yes, I did.
(D) Show me the guitar, please.
【例題4】
(A) I like flowers.
(B) Fish, please.
(C) I don’t have much money.
(D) I would like to go there.
【例題5】
(A) Sure.
(B) Yes, she could.
(C) It’s windy today.
(D) How long is it?
【例題6】
(A) We have seen it.
(B) I was working at a restaurant.
(C) That’s good.
(D) I’ll be right back.
【例題7】
(A) I have to finish this work.
(B) They are busy.
(C) It is very easy.
(D) Where are you going?
【例題8】
(A) It is too late today.
(B) Don’t you know it’s raining outside?
(C) Because I met her.
(D) You are thinking very well.
TOEIC Bridgeリスニングパート2の出題内容
TOEIC Bridgeのリスニングパート2は「応答問題」です。
最初に英語で簡単な質問や発言が読み上げられますので、それに対する最も適切な応答を選びます。
応答の内容は印刷されていますが、最初に読み上げられる質問や発言は印刷されていません。
したがって、この最初の質問や発言を聞き逃さないように集中する必要があります。
また【例題】でも取り上げていますが、”Why~ ?”(なぜ~)という質問に対して”Because···”(なぜなら···)のように直接的な応答ばかりが正解とは限りません。
そういう意味では、自然な会話の流れをつかむ能力も求められていると言えるでしょう。
パート2の問題数は20問。
冒頭にも書きましたが、TOEIC Bridgeのリスニングで最も問題数が多いパートです。
したがって、このパート2で正解を増やすことができれば、リスニングの点数を大きく伸ばすことができます。
TOEIC Bridgeリスニングパート2のポイント
TOEIC Bridgeのリスニングパート2は最初に読み上げられる質問や発言に対する適切な応答を選ぶ問題ですので、その質問や発言を聞き取ることが何より大事になってきます。
ただ、質問や発言に対する応答は音声で流れるだけでなく問題用紙に印刷もされているので、その内容をしっかり確認した上で答えを選んでください。
また、リスニングパート2で出題される質問の仕方にはいくつかのパターンがありますので、パターンごとにポイントを押さえて勉強する必要があります。
以下では、リスニングパート2でよく出題される質問や発言のパターン別にポイントを解説していきます。
YES/NO疑問文
YES/NO疑問文とは、YESまたはNOで答えられる疑問文です。
【例題1】がYES/NO疑問文に当たります。
【例題1】
Are you tired?
(あなたは疲れていますか?)
(A) No, she isn’t.
(いえ、彼女は違います。)
(B) About three times.
(約3回ほどです。)
(C) Yes, I am. ←正解
(はい、そうです。)
(D) I bought a new tire.
(私は新しいタイヤを買いました。)
他にも、Do you go to school?(あなたは学校に行きますか?)、Is this your bag?(これはあなたのバッグですか?)などがあります。
このパターンの疑問文では、Are you~?やDo you~?、Is this~?の「~」に入る名詞や動詞、形容詞などを聞き取れるかどうかがポイントです。
「~」に入る言葉を聞き取ることができたら、後は質問に対する適切な応答文を選択肢の中から選びます。
自然な会話になるような応答文を選んでください。
WH疑問文
WH疑問文とは、WHからスペルが始まる疑問文です。
【例題2】がWH疑問文に当たります。
【例題2】
When did you meet him?
(あなたはいつ彼に会いましたか?)
(A) Yes, we did it.
(はい、私達はそれをしました。)
(B) The day before yesterday. ←正解
(一昨日です。)
(C) She couldn’t meet him.
(彼女は彼に会えませんでした。)
(D) He thought about it.
(彼はそれについて考えました。)
WH疑問文は、Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)などの疑問詞から始まります。
また、How(どのようにして)やHow many(いくつ)なども、厳密にはWHから始まる訳ではありませんが、この形の疑問文に含まれます。
このパターンの疑問文では、文頭のWhoやWhatなどの疑問詞を聞き逃さないことが最大のポイントです。
理由は下の2つの文を比べれば明らかだと思います。
・When did you meet him?
(いつ彼に合いましたか?)
・Where did you meet him?
(どこで彼に合いましたか?)
この2つの文、違いは文頭のWhenとWhereだけで他は全く同じ。
ですので、文頭がWhenなのかWhereなのか聞き取れないと、時間を答えればいいのか場所を答えればいいのか判断できませんよね。
WH疑問文はTOEIC Bridgeのリスニングパート2でよく出題されるパターンですので、先ほど挙げたような代表的な疑問詞をしっかり聞き取れるようにしておきましょう。
付加疑問文
付加疑問文とは、You ~,don’t you?(あなたは~しますよね?)や、It is~ ,isn’t it?(それは~ですよね?)のように、相手に確認したり念を押したりする形の疑問文です。
【例題3】が付加疑問文に当たります。
【例題3】
You played the guitar, didn’t you?
(あなたはギターを演奏しましたよね?)
(A) He is a famous guitarist.
(彼は有名なギタリストです。)
(B) Oh, really?
(え、本当ですか?)
(C) Yes, I did. ←正解
(はい、しました。)
(D) Show me the guitar, please.
(そのギターを見せてください。)
付加疑問文は少し複雑な形に見えるかもしれませんが、これに対する答え方は通常の疑問文と同じです。
You played the guitar, didn’t you?(あなたはギターを弾きましたよね?)という質問に対して肯定するならYes I did. 否定するならNo I didn’t. と答えればOK。
最初に読み上げられる質問が付加疑問文でも慌てる必要はありません。
落ち着いて選択肢の中から適切な応答文を選んでください。
選択型の疑問文
選択型の疑問文は、「AかBどちらですか?」と尋ねるパターンです。
【例題4】が選択型の疑問文に当たります。
【例題4】
Would you like fish or chicken?
(魚と鶏肉どちらになさいますか?)
(A) I like flowers.
(私は花が好きです。)
(B) Fish, please. ←正解
(魚をお願いします。)
(C) I don’t have much money.
(私はあまりお金を持っていません。)
(D) I would like to go there.
(私はあそこに行きたいです。)
この Would you like fish or chicken? という質問は、国際線の飛行機のキャビンアテンダントが乗客に”Fish or chicken?”と聞くアレの原型ですね。
この選択型の疑問文では、「AとBのどちらですか?」と問われている訳ですから、これに対する答え方としては”I’d like A.”(Aがいいです)や”A is better.”(Aの方がいいです)、”(A)please.”(Aをお願いします)のように、挙げられた候補の中から1つ選ぶことが一般的です。
ただ、場合によっては、どちらか1つというではなく、all(全部)、both(両方)といった答えになったり、またはneither(どちらも違う/どちらもいらない)となるかもしれません。
ですので、選択型の疑問文も適切な会話の流れになるかどうかに注目して判断するようにしましょう。
依頼型の疑問文
依頼型の疑問文は、相手に何かしてほしい時に使われる疑問文です。
【例題5】が依頼型の疑問文です。
【例題5】
Could you open the window?
(窓を開けていただけますか?)
(A) Sure. ←正解
(もちろん。)
(B) Yes, she could.
(はい、彼女はできました。)
(C) It’s windy today.
(今日は風が強いです。)
(D) How long is it?
(それはどれくらいの長さですか?)
最も代表的な表現として、例題にも挙げた”Could you~ ?”(~していただけますか)という聞き方があります。
これに対する答え方は“Yes.”(はい)や”Sure(もちろん)”などが一般的です。
この他に“Would you mind~ing?”(~していただけませんか?)という聞き方も知っておきましょう。
これも”Could you~ ?”と同じく依頼型の疑問文の代表例なのですが、ただ、”Would you mind~ing?”に対する答え方には注意が必要。
mind~ingは「~するのを嫌がる」という意味ですので、“Would you mind~ing?”は「あなたは~するのが嫌ですか?」という内容になります。
つまり”Would you mind showing it?”(それを見せていただけませんか?)を直訳すると(あなたはそれを見せるのは嫌ですか?)という意味なのです。
ですから、この質問に対して「はい、いいですよ」と答える時は“No”(いいえ)や”I don’t mind at all.”(全く嫌ではありません)などの否定文を選ぶ必要があります。
“Would you mind~ing?”の問題で「『はい、いいですよ』という答えを探しているのに選択肢に”Yes”がない!」と慌てないようにしてくださいね。
提案型の疑問文
提案型の疑問文は「~しませんか?」「~しましょうか?」「~はいかがですか?」と、相手に何かを提案したり相手を誘ったりする時に使われる疑問文です。
【例題6】が提案型の疑問文に当たります。
【例題6】
Why don’t we have lunch?
(お昼ごはんを食べませんか?)
(A) We have seen it.
(私達はそれを見ました。)
(B) I was working at a restaurant.
(私はレストランで働いていました。)
(C) That’s good. ←正解
(いいですね。)
(D) I’ll be right back.
(私はすぐ戻ります。)
他の例として
“Why don’t you study English?”(英語を勉強したらどうですか?)
“Shall I close the door?”(ドアを閉めましょうか?)
“Would you like a cup of coffee?”(コーヒーを一杯いかがですか?)
といった表現が挙げられます。
“Why don’t you~ ?”を直訳すると「なぜあなたは~しないのですか?」となりますが、話し手の意図は「~すればいいのに」「~した方がいいと思う」という点にあります。
そこから「~したらどうですか?」という意味になる訳です。
同じように”Why don’t we~ ?”は直訳すると「なぜ私達は~しないのですか?」ですが、意図としては「私達は~した方がいいと思う」ということなので「~しませんか?」という誘いや提案となります。
疑問文ではない発言
最後は疑問文ではない発言です。
【例題7】がこれに当たります。
【例題7】
You look very busy recently.
(あなたは最近忙しそうですね。)
(A) I have to finish this work. ←正解
(この仕事を終わらせなければならないのです。)
(B) They are busy.
(彼らは忙しいです。)
(C) It is very easy.
(それはとても簡単です。)
(D) Where are you going?
(あなたはどこに行っているのですか?)
このパターンでは、通常の会話の流れで出てくる発言に対して適切な応答を選びます。
例題に挙げたように、”You look very busy recently.”(最近とても忙しそうですね)という発言に対して、”I have to finish this work.”(この仕事を終わらせなければならないのです)のような会話です。
疑問文ではないので、Are you~ ?やDo you~ ?から始まったり、WhatやWhenで始まったりすることはありませんし、特定のパターンがある訳でもありません。
したがって、読み上げられる音声の主語と動詞をしっかり聞き取り、挙げられた選択肢の中から自然な会話の流れになる応答を選ぶことが大切です。
TOEIC Bridgeリスニングパート2の注意点
TOEIC Bridgeのリスニングパート2では、上に見てきたような色々なパターンがあるのと同時に、注意しなければならないポイントが3つあります。
それは、
・直接的な答えでない場合
・同じ単語が使われている場合
・音が似ている場合
です。
以下で説明します。
直接的な答えでない場合
この記事の最初の方でも少し触れましたが、質問や発言に対して直接的な応答ではないものが正解の場合があります。
例えば【例題8】がそれです。
【例題8】
Why are you staying home today?
(なぜ今日は家にいるのですか?)
(A) It is too late today.
(今日はもう遅すぎます。)
(B) Don’t you know it’s raining outside? ←正解
(外で雨が降っていることを知らないのですか?)
(C) Because I met her.
(なぜなら私は彼女に会ったからです。)
(D) You are thinking very well.
(あなたはとてもよく考えていますね。)
この例題では
Why are you staying home today?
(なぜ今日は家にいるの?)
という質問に対して
Don’t you know it’s raining outside?
(外は雨が降ってること知らないの?)
という応答文が正解になります。
“Why~”で聞かれたからといって機械的に”Because~”で始まる文を選んでしまうと間違えます。
きちんと意味の通る会話になる答えを選びましょう。
同じ単語が使われている場合
最初に読み上げられた文で使われている単語と同じ単語やその派生語が応答文にあっても、正解とは限りません。
むしろ ”引っ掛かけ” の可能性が高いとも言えます。
【例題2】のmeet him
【例題3】のguitarやguitarist
【例題4】のwould like
などがその例です。
同じ単語や派生語が入っていても適切な応答文になるかどうかは別ですので、慎重に選ぶようにしてください。
音が似ている場合
単語自体は違っていても音が似ている場合、つい正解のように思ってしまうことがあるので、この場合も注意が必要です。
【例題1】のtiredとtire
【例題5】のwindowとwindy
【例題7】のbusyとeasy
などがその例にまります。
「音が似ているから」という理由で選んでしまうと、間違ってしまうおそれがあります。
こういう引っ掛かけにも注意しましょう。
最後に
TOEIC Bridgeのリスニングパート2は問題数が20問もあるため、集中力を切らさずに解き続ける必要があります。
仮に全く聞き取れなかった問題が途中で出てきても、それをズルズルと引きずらず、気持ちを切り替えて次の問題に臨みましょう。
ぜひ問題数の多いリスニングパート2を得意分野にして、大きく得点を伸ばしてください!