このページでは、TOEICの本番で実力を出せるテクニックをまとめて4つご紹介させて頂きます。
普段TOEICに向けた勉強を頑張っても、肝心の本番で実力が発揮できなかったら、こんなにもったいないことはありませんよね。
そこで、普段の勉強で養った力を発揮するためのテクニックを身につけて、スコアアップを目指してください。
このページでまとめている受験テクニックとは、普段の勉強で養った英語力を最大限発揮するためのテクニックです。
小手先のテクニックのように本来の英語力と関係ない部分でスコアを上げるものではありません。
具体的には、
・少しでも余裕を持ってリスニング問題に取り組めるようにするリスニング時短術
・1問でも多くリーディングの問題を解けるようにするリーディング時間管理術
・ケアレスミスを防いで確実に得点することを可能にするマークミス回避術
・テスト中に思わぬハプニングが起きたとしても冷静に対処できるハプニング対処術
以上4つの受験テクニックです。
どれも手軽に取り組めるものばかりですので、ぜひ実践してみてください。
テクニック1:リスニング時短術
まずは、リスニングからです。
TOEICのリスニングでは次から次へと音声が流れるため、ゆっくり考えているヒマはありません。
かといって、落ち着いて聞かないと大事なポイントを聞き逃してしまいます。
気がついたらナレーションがどんどん進んでいて、いつの間にかリスニングが終わっていたという経験ありませんか?
本当にあっという間ですよね。
ですので、少しでも落ち着いてリスニングに取り組めるように、ムダな時間をカットする時短術をお伝えします。
リスニング時短術その1:ディレクションが流れている時間を有効活用
リスニングでは各パートの冒頭でディレクション(説明)が流れます。
このディレクションは毎回同じ内容ですので、この内容をあらかじめ知っておけば、わざわざディレクションを聴く必要はありません。
つまり、ディレクションが流れている間は、問題文に目を通すことができるのです。
だとしたら、この時間を使わない手はありません。
TOEIC公式問題集の付属CDにて計測したところ、各パートの冒頭でディレクションが流れる時間は以下の通りです。
・パート1のディレクション・・・1分30秒(全体の説明が含まれるため長い)
・パート2のディレクション・・・25秒
・パート3のディレクション・・・30秒
・パート4のディレクション・・・30秒
ご覧の通り、パート1が1分30秒、その他は25秒~30秒ですが、問題はこの時間をどのように活用するかです。
最も一般的な使い方は、問題文の先読みをするというです。
先読みとは、問題文が印刷されているパート3やパート4の問題文を、ディレクションが流れている間に読んでおくというテクニック。
先に問題文を読んでおくことで、会話の内容を把握できるというメリットがあります。
恐らく多くの受験生が実践しているのではないでしょうか。
もちろんこれでも構わないのですが、先読みはかなり速く問題文を読まないと内容が頭に入ってきません。
かといって、じっくり読もうとすると結局2・3問くらいしか目を通すことができないため中途半端になってしまいます。
私も何度か練習したのですが、どうしても上手にできなかったので、ディレクションが流れている間の先読みは諦めました。
(先読みは他の箇所で行っており、その手法は次の「時短術その2」に書いています)
ではディレクションが流れている間、私は何をやっているかというと、パート3やパート4の図表をチェックしています。
図表はパート3とパート4で合計5つほど出題されますが、この図表をきちんと理解しておかないと解けません。
そこで、各ディレクションが流れる約3分の間に図表をじっくり見ておきます。
何に関する図表なのか、どういう事が書いてあるのか、などです。
これにより図表の内容をあらかじめ頭に入れることができるので、比較的ゆとりを持ってリスニングパート3・4に臨むことが可能になります。
問題文を焦って読んでもなかなか頭には入りにくいので、代わりにじっくりと図表を見て内容を把握するようにして下さい。
ただし!
このテクニックを実践する時に注意しなければならない点が1つだけあります。
それは、【リスニングのテスト中にリーディングパートの問題を見るのは厳禁】というルールです。
TOEIC公式サイトにも注意事項として載っていますが「リスニングテスト中にリーディングセクションの問題内容を見る行為」は「決められた時間を超えて解答する行為」として注意の対象となります。
パート3とパート4の図表を見るためにページをめくる時は、くれぐれも慎重に行うようにしてください。
リスニング時短術その2:リスニングのパート2を解きながらパート3の問題を読んでおく
パート2は短い文が読まれ、それに対応する返答が選択肢A・B・Cとして3つ読まれるので、その中から適切なものを選ぶ形式です。
しかし、実は答えを出すのに3つ全ての選択肢を聞く必要はありません。
例えば、選択肢Aの文を聞いた時点で答えがAだと分かれば、BとCの文は聞く必要がなくなります。
ですので、そのBとCが読まれている間に隣のページに印刷されているパート3の問題文を読むことができます。
また、選択肢Bの文を聞いた時点で答えがBだと分かれば、Cの文は聞く必要がなくなります。
さらに、Bも違うと分かれば、残るはCだけですので、この時点で答えはCであることが確定し、Cの文は聞く必要がありません。
つまり、パート2は選択肢Bの文までを聴けば、答えがA・B・Cのどれなのか分かるということです。
したがって、答えが分かった時点でマークすれば、次の問題が読まれるまで少し時間が空きます。
その間にパート3の問題文を読むことが可能です。
パート2は全部で25問ありますので、毎回少しずつパート3の問題文を読むだけでも、結構な量になります。
これが私がやっている先読みです。
これは私が受験中にたまたま見つけた方法なので、あまり世間には知られていないと思います。
コツをつかんで先読みできるようになれば、少し余裕を持ってパート3に取り組めるようになりますので、普段から練習してみてください。
テクニック2:リーディング時間管理術
さて、次にリーディング時間管理術の説明に入ります。
リスニングは流れてくる音声に従って解いていくので、あまり時間管理に神経質になる必要はありませんが、リーディングは全て自分で時間配分を決めなければならないので、時間管理が得点に大きく影響します。
ですので、リーディングは時間管理を徹底しなければなりません。
ここではそのリーディングの時間管理術をお伝えします。
こちらも特に難しいテクニックではありませんので、ぜひ実践してリーディングのスコアアップにつなげて下さい。
リーディング時間管理術その1:知っている単語と知らない単語をハッキリさせる
リーディングで時間がかかってしまう原因の1つが、知らない単語にとらわれてしまうというものです。
場合によっては、知らない単語の意味を前後の文脈から推察することも必要ですが、そう簡単ではありませんし、何より時間がかかってしまいます。
「知らない単語でも、もしかしたら解けるかも・・・」と思って挑戦したけど、やっぱり解けず、結局時間をムダにしてしまったという経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
知らない単語はいくら悩んだところで正解率が上がる訳ではありません。
それよりも、「知らない単語は知らない」と割りきって先に進み、解ける問題を1問でも多く解く方が得点率は上がります。
ですので、知らない単語が多く使われている問題は後回しにして、自信のある問題を1問でも多く解くようにしましょう。
もちろん、問題文中すべての単語を知っていないと解けないという訳ではありませんが、問題文を1度ざっと読んでも内容が頭に入ってこない時は、知らない単語が多く使われている可能性が高いので、さっさと先に進みましょう。
リーディング時間管理術その2:パートごとの時間制限を守る
先ほどのリーディング時間管理術その1では 「知らない単語の多い問題に時間をかけないようする」 ということをお伝えしましたが、逆に知っている単語が多い問題からと言って深追いし過ぎるのもダメです。
もう少し時間かけたら解けるかも・・・と頑張ってみたものの、結局解けなかった。
これでは、いくら時間があっても足りません。
リーディングのパートごとに何分使うのかを決め、その時間をきちんと守るということを心掛けましょう。
時間配分は人それぞれ異なると思いますが、以下に時間配分の例を挙げておきますので、時間配分を決めていないという方は参考にして頂けたらと思います。
※下記の時間配分はあくまでも平均的な例であり、ご自分の実力や得意・不得意分野に応じて調整してください。
全体:75分
パート5:10分
パート6:10分
パート7:55分
ここでの注意点は、1問当たり何秒ということは気にせず、パート全体で必要な時間を意識するということです。
というのも、TOEICの問題は、簡単なものから難しいものまでレベルがさまざまであり、時間をかけずに解ける問題もあれば、時間をかけることで解ける問題もあるからです。
時間をかければ解けるのに「1問当たり何秒」ということに気を取られて、雑な解き方になってしまっては、スコアアップは望めません。
時間をかけて考えても分からない問題に時間をかけないということは大前提として必要ですが、時間をかければ解ける問題にはきちんと時間をかけて確実に正解してください。
また、パート5やパート6に比べ、パート7は読む分量も多くなり、脳への負担も大きくなるため、最後に解くのが大変に感じるかもしれません。
ですので、リーディングが始まってすぐ、つまり、まだ頭の疲れていないうちにパート7から解いていくというテクニックも効果的です。
最初に大変なパート7を終わらせてから、脳への負担が少ないパート5とパート6を解くことでスコアアップを狙います。
当然ながら、その場合はマークする箇所を間違えないようにしてください。
マークする箇所を間違えないようにするテクニックは、後述するマークミス回避術でご紹介します。
リーディング時間管理術その3:職業名や役職名からヒントを得る
TOEICには様々な職業名や役職名を表す単語が出てきますが、これらの単語が英文を読み解くヒントになることがよくあります。
ですので、出題されやすい職業や役職をあらかじめ頭に入れておけば、どのような内容が書かれているのか把握しやすくなり、少ない時間で問題を解くことができるようになります。
そこで、よく出題される職業名・役職名を以下にまとめておきました。
数はたくさんありますが、中には日本でもカタカナで呼ばれている職業や役職もありますので、馴染みのあるものから押さえていきましょう。
・salesperson(販売員)
・cashier(レジ係)
・store manager(店長)
・secretary(秘書)
・office clerk(事務員)
・customer service(顧客サービス担当)
・engineer(エンジニア)
・teacher(教師)
・doctor(医師)
・dentist(歯科医)
・lawyer(弁護士)
・pilot(パイロット)
・translator(翻訳家)
・accountant(会計士)
・consultant(コンサルタント)
・designer(デザイナー )
・scientist(科学者)
・journalist(ジャーナリスト、記者)
・reporter(レポーター、記者)
・editor(編集者)
・writer(ライター、作家)
・tour guide(ツアーコンダクター)
・receptionist(受付)
・concierge(コンシェルジュ、案内人)
・housekeeper(家政婦)
・waiter(ウェイター)
・waitress(ウェイトレス)
・president(社長)
・vice president(副社長)
・CEO(最高経営責任者、Chief Executive Officerの略)
・manager(マネージャー、管理者)
・supervisor(スーパーバイザー、責任者)
・assistant(アシスタント、補佐)
・agent(エージェント、代理)
・coordinator(コーディネーター、調整役)
・advisor(アドバイザー、助言役)
また、上に挙げた例の他にも、普段の勉強の中で出てきた職業名や役職名をまとめておくのも役に立ちます。
自分で勉強する中で出てきたものは、より記憶に残りやすくなるので、職業名や役職名が出てくるたびにストックしておきましょう。
テクニック3:マークミス回避術
TOEICで最も恐ろしいこと。
それはマークミスです。
マーク箇所が1つでもズレてしまったら、その後の回答もまとめて全部ズレてしまいます。
こうなったら、それまで勉強してきたこと全てが水の泡になってしまうのです。
考えただけでも恐ろしくないですか?
しかも、マークミスの厄介な点は「ミスしないように心掛けるだけでは防げない」という所です。
いくら心掛けていても、TOEICは時間との戦いですので、つい焦ってうっかりミスしてしまう危険が伴います。
心掛けだけでは防げないため、もっと具体的な対策をとる必要がありるわけです。
ではどのようにするのか。
それは、マークする箇所を消しゴムで分かるようにするというテクニックです。
たとえば、次はNo.10を解くという場合、▼の画像のように解答用紙のNo.10の箇所に消しゴムを置くというだけです。
こうすることで、解いている問題とマークすべき箇所がズレていないかすぐに確認できるので、カンタンにマークミスを防ぐことができます。
この方法なら誰にでもできますよね。
ちなみに、なぜ消しゴムを使うのかというと、持ち込み可能な持ち物の中で消しゴムが一番手っ取り早いからというだけの理由です。
実際、私もTOEIC本番でこの方法を試してみたところ、これが効果を発揮!
試験中2回ほどマークすべき解答欄を間違えそうになったのですが、消しゴムのおかげマークミスを防ぐことができました。
このように、これは実証済みのテクニックです。
いかがでしょうか?
解答欄に消しゴムを置くという超カンタンなひと手間を加えるだけで、マークミスという最も恐ろしい失敗を防ぐことができるのです。
マークミスして取り返しのつかない事態になる前に、ぜひこのテクニックを実践してみて下さい。
テクニック4:ハプニング対処術
さて、これまでリスニング、リーディング、マークミスについてのテクニックをお伝えしてきました。
どれもそのまま実践して頂けば、普段の勉強で身につけた英語力をTOEIC本番で発揮するのに役立つものです。
ただし、そのTOEIC本番では色々なハプニングが発生します。
これはどんな試験にも当てはまることです。
試験本番で発生するハプニング、何か思い付きますか?
例えば、
隣の人の咳やくしゃみ、鼻すすり。
さらには貧乏ゆすりや体臭など。
集中する妨げになるような人が近くにいたら困りませんか?
この他にも、会場の外で救急車や消防車がサイレンを鳴らしながら走ったり、ヘリがバラバラと飛んでいたり。
私の友人は何かの試験の時に近くでデモ行進をやっていて大変だったそうです。
試験会場が暑かったり寒かったり、席が窓際でまぶしかったり、というのもあり得ます。
挙げ始めればキリがありませんが、これらのハプニングが原因で気が散ってしまうと、本来の力は発揮できません。
そこで、このようなハプニングへの対処法もテクニックとして身に付けておきましょう。
ただ、対処法と言っても、これらのハプニングが発生すること自体は防げません。
ではどのような対処法をとればいいのでしょうか?
ここでは、ハプニング対処術として2つのテクニックをお伝えします。
ハプニング対処術その1:受験中の心構え
まず、1つ目は心構えです。
予想外のハプニングが発生した時に一番影響を受けるのは精神面です。
ハプニングが原因で平常心を保てなくなるからこそ、普段通りの力が発揮できなくなってしまいます。
ですから、逆に言うとハプニングが起きても平常心を保つことができれば問題ありません。
つまり、この「平常心を保つ」ということがハプニング対処法として重要です。
何が起きても平常心を保つ。
これができれば、どんなハプニングが起きても大丈夫です。
しかし、予想外のハプニングが発生した時に平常心を保つことは、そう簡単ではありません。
なぜなら、そのハプニングが予想外だからです。
誰でも予想外のハプニングが起きたらビックリしますよね。
そこで、ハプニングに対処術として「試験では必ず何かが起きるものだ」と予想しておくようにしましょう。
具体的に何が起こるかは予想できなくても「とにかく必ず何かが起きる」ということを予想しておくということです。
必ず何か起こると予想しておけば、何かハプニングが発生したとしても、「やっぱり予想通りハプニングが起きたな」と考えることができるようになり、予想外のハプニングが少なくなります。
もしかしたら、単に心構えを変えただけで意味があるのかと疑問に思われるかもしれません。
ですが、先ほども述べたように、ハプニングが起きて一番影響を受けるのは精神面ですから、心構え次第でその影響の度合いも変わります。
試験本番では必ず何かが起きる。
だから、「最後まで何も起きなければラッキー」という心構えで臨む。
こうすることで気持ちに余裕が出てきます。
以上がハプニング対処術の1つ目です。
ハプニング対処術その2:普段の学習環境
次にお伝えするのは、普段の学習の中で実践して頂きたい点です。
何かと言うと、時々でいいので悪い環境で勉強してみるということです。
静かな集中できる環境でばかり勉強することに慣れてしまうと、少しでも環境が悪くなった時に集中できなくなる恐れがあります。
そこで時々、集中しにくい環境で勉強しておくきましょう。
そうすることで、試験会場で何かハプニングが起きても、動じることなく平常心を保つことができるようになります。
にぎやかな喫茶店、ガタンゴトンと動く電車の中、テレビのついているリビングなど、集中しにくい環境は色々見つかるはずです。
環境の悪い中で勉強すると効率が悪くなってもったいなく感じるかもしれませんが、本番の試験会場の環境が悪くて本来の実力を出せない方がよっぽどもったいないですよね。
ですから、時々でいいので環境の違う場所で勉強して、集中しにくい環境にも慣れるようにして下さい。
以上の2つがハプニング対処術です。
試験本番では本当に色々なハプニングが発生します。
そんな中でも本来の実力を100%発揮できるよう、受験テクニックとしての対処術をしっかり身に付けておきましょう。
おわりに
以上がTOEIC本番で実力を出しきる受験テクニックの説明となります。
いかがだったでしょうか?
感想はそれぞれかと思いますが、このページでまとめてご紹介したテクニックは、読むだけでは何の意味もありません。
必ず実践して自分のものにして頂く必要があります。
1回読んだだけで全てを理解することは難しいと思いますので、何度も見直しながら普段の勉強の中で練習し、TOEIC本番で実践してみて下さい。
中には難しく感じるものもあるかもしれませんが、それぞれのテクニックを身に付ければ、どれも本番で役立つものであることに気づいて頂けるはずです。
ぜひ今回のテクニックを実践してスコアアップを実現してください!