今回のテーマは接続詞です。
接続詞は日本語にも存在する品詞であり、語句と語句、文と文の関係を理解する上で必要不可欠の品詞です。
英語にも日本語と同じようにたくさんの接続詞がありますが、まずは基本となるものから押さえていけば、TOEIC対策としては十分です。
接続詞の役割
最初に接続詞の役割を見ておきましょう。
冒頭にも書きましたが、接続詞は語句と語句、または文と文の関係を明らかにする役割があります。
「AとB」「AまたはB」「~~、しかし○○」「~~、なぜなら○○」といった感じです。
以下で1つずつ解説していきます。
順接:and
語句と語句をつないで「AとB」という意味になるケースと、文と文をつないで「~~、そして○○」となるケースがあります。
前者の例として、I like blue and red.(私は青と赤が好きです)や、I watched this movie on TV and on the Internet.(私はこの映画をテレビとインターネットで見た)が挙げられます。
後者の例は、He stopped and checked the map.(彼は立ち止まり、地図を見た)です。
ちなみに、語句や文が3つ以上になる場合は A, B, and C や A, B, C, and D という形でandは最後の語句や文の直前でのみ使われるのが一般的です。
例を挙げると、I like blue, red, and yellow.(私は青と赤と黄色が好きです)や、He stopped, checked the map, looked around, and started walking again.(彼は立ち止まり、地図を見て、周囲を見渡して、再び歩き始めた)となります。
日本語では「AとBとC」という表現は普通ですが、英語ではandという同じ単語が繰り返されるのを避けるために「A and B and C」より「A, B, and C」とされることが多いです。
選択:or
A or B という形で「AまたはB」という選択肢や可能性を示す際に使用します。
たとえば、I want to go to France or Spain.(私はフランスかスペインに行きたい)や She had a black or brown cat.(彼女は黒か茶色の猫を飼っていた)などです。
or も and と同様に、選択肢が3つ以上になる場合は「A or B or C」や「A or B or C or D」ではなく、「A, B, or C」や「A, B, C, or D」となります。
ですので、最初の例も、I want to go to France, Spain, Canada, or Brazil.(私はフランスかスペインかカナダかブラジルに行きたい)となります。
ちなみに、or を使った疑問文では、最後だけイントネーションが下がります。
すなわち・・・
Do you like A or B ? では A↑ or B↓ となり、
Do you like A, B, or C ? ではA↑, B↑, or C↓ というイントネーションになります。
実際の音声も聞いてみましょう。
Do you like A or B ?
Do you like A, B, or C ?
逆接:but
but は対比や反対の意味を示す際に使われる逆接の接続詞です。
たとえば、It was raining but I went out.(雨が降っていたが、私は出かけた)、I use smart phone but I don’t use PC.(スマートフォンは使うが、パソコンは使わない)という感じです。
but の前後で内容が対比されたり、反対の内容になったりしていることがお分かり頂けると思います。
また、but は必ずしも上のように文と文をつなぐ場合だけではなく、形容詞と形容詞、副詞と副詞をつなぐ場合もあります。
たとえば、This dress is cute but small.(このドレスは可愛いけど小さい)や、 He can swim fast but quietly.(彼は速く、しかし静かに泳ぐことができる)などです。
but は文と文をつなぐ場合が多いため、急にそれ以外の形が出てきた時に戸惑いやすくなってしまいます。
but にはこのような使い方もあるということを知っておきましょう。
逆接:though/although
though は「~にも関わらず」「~だが」という逆接の意味を持つ接続詞で、although も同じ意味です。
逆接を表す接続詞という点ではbutとも共通しています。
though は学校の授業などで「~にも関わらず」と訳されることが典型的なので、「though = ~にも関わらず」、「but = しかし」と機械的に暗記されがちですが、意味としてはどちらも同じ逆接です。
but の箇所で挙げた例を使って説明すると、It was raining, but I went out.(雨が降っていたが、私は出かけた)というのは Though it was raining, I went out.(雨が降っていたにも関わらず、私は出かけた)と同じ意味になります。
この場合の Though it was raining(雨が降っていたにも関わらず)は、I went out.(私は出かけた)という文の内容や状況を具体的に説明しており、副詞の役割を果たしています。
これを副詞節と呼ぶのですが、副詞節の場所を移動させても文全体の意味は変わりません。
つまり、Though it was raining, I went out.という文を I went out, though it was raining.に変えても意味は同じです。
実は、この though を含め、以下でご紹介する接続詞は全て副詞節になるので、前後の場所を変えても意味は変わりません。
理由:because
becauseは理由や原因を説明する場合に用いられる接続詞で「なぜなら」という意味です。
たとえば、I like soccer because it is exciting.(私はサッカーが好きです。なぜならワクワクするからです)や、I stayed home because I had to study.(私は勉強しなければならなかったので、家にいました)などです。
条件:if
if は条件や仮定を示す際に使用されます。
「もし~なら」という意味です。
たとえば、We will cancel the game if it rains tomorrow.(もし明日雨が降ったら試合は中止します)や、I want to meet him if he comes.(もし彼が来るなら会いたい)です。
第11回【仮定法】でも扱いますが、「もし~なら」に当たる if の内容は仮定の話であり将来のことを表していますが、未来形ではなく現在形を使います。
先ほどの例も、We will cancel the game if it rains tomorrow. や I want to meet him if he comes. となっていますよね。
将来のことを表しているからといって、We will cancel the game if it will rain tomorrow.や、I want to meet him if he will come. になるわけではありません。
時間
時間に関する接続詞はいくつかありますが、ここでは代表的な5つをご紹介します。
時間:when
whenは時間に関する接続詞のうち最も基本的なもので、特定の時点における状況を表します。
意味は「~した時」「~する時」です。
たとえば、She was ten years old when I met her.(私が彼女に会った時、彼女は10歳だった)や、It will be dark outside when you leave here.(あなたがここを出る時には外は暗くなっているだろう)などです。
時間:while
whileは一定の幅を持った時間を表す接続詞です。
意味は「~している間」であり、whenが「~する時」という比較的短い時間を表すのに対し、while はそれより長い時間を想定して使われます。
たとえば、He watched TV while I was studying.(私が勉強している間、彼はテレビを見ていた)や I finished my work while you were out.(あなたが外出している間に私は仕事を終わらせた)などです。
時間:since
sinceは、時間の起点を表す接続詞で、ある一定の時点から継続している状況で使われます。意味は「~して以来」となります。
一定の時点から継続している状況というのは、第4回【時制】で学習した現在完了形の用法の1つですので、このsinceは現在完了形とともに用いられます。
たとえば、I have come here many times since I visited last year.(去年訪れて以来、何度も来ている)や、I have been your fun since I saw you on TV.(テレビで見て以来、私はあなたのファンです)などです。
ちなみにsinceにはbecauseと同じ「理由」の意味もあります。
becauseの所で例文を2つ挙げましたが、because を since に変えても意味は全く同じです。
つまり、I like soccer since it is existing.(私はサッカーが好きです。なぜならワクワクするからです。)や、I stayed home since I had to study.(私は勉強しなければならなかったので、家にいました)となります。
したがって、接続詞 since が出てきた時は「~して以来」という時間の起点を表す場合と、「なぜなら~」という理由を表す場合に分かれます。
先ほど説明した通り、現在完了形が使われていれば時間の起点を表している可能性が高いと言えますが、必ずしもそうなるケースばかりではありませんので、最終的には文脈から判断できるようにしましょう。
時間:beforeとafter
before は「~する前に」、afterは「~した後で」という意味です。
日本でもビフォーアフターという言葉が使われるように、セットで理解しやすい接続詞だと思います。
例文としてI drink water before I go to bed.(私は寝る前に水を飲む)、I started walking after I arrived here.(私はここに到着した後、歩き始めた)を挙げておきます。
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以上が代表的な接続詞の説明となります。
接続詞は文の構造を理解するのに大切な役割を持ちますので、パッと見ただけで構造が理解できるように理解力を上げていってください。
なお、最後の3つで紹介した since、after、before は接続詞だけでなく前置詞としての意味もありますので、第7回【前置詞】で説明させて頂きます。
例文まとめ
最後に、この回で出てきた例文をまとめておきます。
例文をクリックすると、説明の箇所に戻りますので、どの例文がどのような説明の中で挙げられていたのかを確認するためにご利用ください。
I like blue and red.(私は青と赤が好きです)
I watched this movie on TV and on the Internet.(私はこの映画をテレビとインターネットで見た)
He stopped and checked the map.(彼は立ち止まり、地図を見た)
I like blue, red, and yellow.(私は青と赤と黄色が好きです)
I want to go to France or Spain.(私はフランスかスペインに行きたい)
She had a black or brown cat.(彼女は黒か茶色の猫を飼っていた)
I want to go to France, Spain, Canada, or Brazil.(私はフランスかスペインかカナダかブラジルに行きたい)
It was raining but I went out.(雨が降っていたが、私は出かけた)
I use smart phone but I don’t use PC.(スマートフォンは使うが、パソコンは使わない)
This dress is cute but small.(このドレスは可愛いけど小さい)
He can swim fast but quietly.(彼は速く、しかし静かに泳ぐことができる)
I like soccer because it is exciting.(私はサッカーが好きです。なぜならワクワクするからです。)
I stayed home because I had to study.(私は勉強しなければならなかったので、家にいました)
We will cancel the game if it rains tomorrow.(もし明日雨が降ったら試合は中止します)
I want to meet him if he comes.(もし彼が来るなら会いたい)
She was ten years old when I met her.(私が彼女に会った時、彼女は10歳だった)
It will be dark outside when you leave here.(あなたがここを出る時には外は暗くなっているだろう)
He watched TV while I was studying.(私が勉強している間、彼はテレビを見ていた)
I finished my work while you were out.(あなたが外出している間に私は仕事を終わらせた)
I have come here many times since I visited last year.(去年訪れて以来、何度も来ている)
I have been your fun since I saw you on TV.(テレビで見て以来、私はあなたのファンです)
I drink water before I go to bed.(私は寝る前に水を飲む)
I started walking after I arrived here.(私はここに到着した後、歩き始めた)
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