今回は代名詞について学習します。
代名詞は日本語でも使われるので、基本的な内容は理解しやすいと思います。
「どの代名詞が、どのような場面で、どう使われるか」という基本を、きちんと理解するようにしてください。
代名詞とは、名詞の代わりに使われる品詞です。
代名詞も「名詞」である以上、名詞としての働きを持っています。
代名詞は、同じ名詞が繰り返されるのを避けたり、固有名詞が不明な場合でも文の要素を補って成立させたりするために使われます。
代名詞はいろいろなケースで使われますが、代表的なケースが5つありますので、以下で順にご紹介します。
それぞれのケースで代名詞は形が変わるため、どのケースでどのように変化するのかという点に着目して読み進めてください。
1、文の主語になるケース(主格)
2、動詞や前置詞の対象になるケース(目的格)
3、名詞を修飾するケース(所有格)
4、「誰々のもの」という名詞を表すケース(所有代名詞)
5、文の主語と動作の対象が同じになるケース(再帰代名詞)
1、文の主語になるケース(主格)
最初は代名詞が文の主語になるケースで、代名詞の主格と呼ばれます。
主語が「私」なら I、「あなた」なら you。
同様に「彼」→he、「彼女」→she、「彼ら」「彼女ら」→they、「これ」→this、「それ」→it、「あれ」→that となります。
ちなみに「これ」は話し手の近くにあるもの、「それ」は聞き手の近くにあるもの、「あれ」は話し手と聞き手から離れた所にあるものを指しています。
2、動詞や前置詞の対象になるケース(目的格)
次は代名詞が動詞や前置詞の対象になるケースです。
代名詞が目的語になるケースと言い換えることもできるので、目的格と呼ばれます。
このケースでは、文の主語として使われた形から変化することがあります。
たとえば、「私」が文の主語になるケースは「I」でしたが、動詞や前置詞の対象として「私を」や「私に」となるケースでは「me」になります。
例文を挙げると、He doesn’t know me.(彼は私を知らない)、She smiled at me.(彼女は私に微笑んだ)などです。
他の代名詞も、he(彼は)→him(彼を、彼に)、she(彼女は)→her(彼女を、彼女に)、they(彼らは)→them(彼らを、彼らに)と変化します。
一方、you、this、it、that は、このケースでも形は変わらず、you(あなたを、あなたに)、this(これを、これに)、it(それを、それに)、that(あれを、あれに)となります。
3、名詞を修飾するケース(所有格)
3番目は、代名詞が名詞を修飾するケースです。
my book(私の本)、your dream(あなたの夢)など、単なる book や dream ではなく、それが誰のものなのかを表す時に使われます。
このケースでも、he→his(彼の)、she→her(彼女の)、they→their(彼らの)、
it→its(その)という変化が生じます。
ただし、this と that は形を変えず this(この)、that(あの)となります。
このケースは前述の通り、ある名詞が誰のものなのか、つまり誰の所有なのかを表しているので所有格と呼ばれます。
4、「誰々のもの」という名詞を表すケース(所有代名詞)
4番目は「誰々のもの」という名詞を表すケースです。
3番目で説明したのは「~の」という形で他の名詞を修飾するケースでしたが、ここでのケースは「誰々のもの」という名詞まで含んでいます。
これはあくまで名詞になるので、所有関係を表す名詞ということで、所有代名詞と呼ばれます。
これも主に名詞の繰り返しを避ける目的で使われます。
たとえば、Your card is red. Mine is blue.(あなたのカードは赤です。私のは青です)のように、先に your card(あなたのカード) という言葉が出ているので、次の文では my card(私のカード) とは言わずに mine(私のもの)で代用する使い方です。
他の代名詞も yours(あなたのもの)、his(彼のもの)、hers(彼女のもの)、theirs(彼らのもの)と変化します。
ちなみに、this や it、that にも所有代名詞がないわけではないのですが、実際に使われる場面はほとんどありません。
5、文の主語と動作の対象が同じになるケース(再帰代名詞)
最後は、主語と動作の対象が同じになるケースです。
たとえば、日本語でも「私は自分に言い聞かせた」という表現はありますが、この場合「私」が「自分(=私)」に言い聞かせているので、主語と動作の対象が同じです。
この場合に英語で使われるのが再帰代名詞であり、先ほどの「私は自分に言い聞かせた」は I said to myself. となります。
再帰代名詞は、主語が I なら、動作の対象つまり目的語は myself になります。
主語が you なら、目的語はyourself です。
同様に、he→himself、she→herself、it→itself となります。
they の 再帰代名詞は themselves となり、語尾が f ではなく ves に変化します(これは f の音で終わる名詞の特徴で、他にも knife (ナイフ)の複数形が knives になる例があります)。
以上が代名詞の説明です。
代名詞は文の流れをスムーズにするために、英語ではよく使われます。
使い方をしっかり押さえて、代名詞が使われた文の内容を的確に把握できるようにしましょう。
例文まとめ
最後に、この回で出てきた例文をまとめておきます。
例文をクリックすると、説明の箇所に戻りますので、どの例文がどのような説明の中で挙げられていたのかを確認するためにご利用ください。