今回は文の種類として否定文・疑問文・命令文について学習します。
これまで文法を解説する中でいろいろな例文を挙げてきましたが、どれもオーソドックスな肯定文でした。
ですが、もちろん肯定文以外の種類もよく使われます。
それが今回学習する否定文・疑問文・命令文です。
日本語の文法にも存在する文の種類ですが、日本語と英語で文の構造が違う場合もあります。
それぞれの基本的なポイントを押さえながら学習していきましょう。
否定文
否定文は「~ではない」のように内容を否定する文です。
日本語と英語で大きく違うのは、否定を表す言葉の位置です。
日本語では、否定を表す言葉は文の終わりの方に置かれます。
たとえば「私はギターを弾くのが得意ではない」や「私は昨日英語を勉強しなかった」のように「ではない」「しなかった」が文の最後にきます。
これに対し、英語では否定する単語が文の初めの方に置かれます。
先ほどの日本語の例を英語にすると、
I am not good at playing the guitar.や、I didn’t study English yesterday. となります。
どちらも否定を表す not が置かれているのは文の初めの方です。
日本語と英語では否定を表す言葉の位置が違うという点は、否定文の大事なポイントですので、しっかり頭に入れておきましょう。
否定の意味を強めるnot ~ at all / never
not は「~ではない」という意味なので、単に内容を否定するだけですが、否定の意味を強めるために at all が文末に付け加えられることがあります。
先ほどの2つの例は、I am not good at playing the guitar at all. / I didn’t study yesterday at all. となり「決して会議には遅れない」「全く勉強しなかった」という感じで否定の意味が強くなります。
文によっては、not ~ at all の代わりに never が使われるケースもあります。
その代表例が、第4回【時制】の中で学習した現在完了形です。
I have visited here for business.(私は仕事でここを訪れたことがある)を否定文にすると、I have not visited here for business.(私は仕事でここを訪れたことはない)となります。
この文で否定の意味を強くするために at allを付け加えると I have not visited here for business at all.(私は仕事でここを訪れたことは一度もない)になりますが、not ~ at all の代わりに never を使って I have never visited here for business.とすることもできます。
注意:never は not ~ at all の代わりに使われる単語ですので、never と at all が一緒に使われることはありません。
疑問文
疑問文は不明な点を尋ねるために使われる文です。
疑問文には大きく分けて2つの型があり、1つは Yes/No疑問文、もう1つは WH疑問文です。
Yes/No疑問文
Yes/No疑問文は、相手に「Yes」か「No」で答えを求める疑問文です。
たとえば、Is he a student?(彼は学生ですか?)、Do you need a dictionary?(あなたは辞書が必要ですか?)などで、相手はこの質問に対して Yes か No で答えることになります。
Yes/No疑問文の作り方
be動詞を使う文であれば、肯定文の主語とbe動詞の順番を入れ換えるだけで疑問文になります。
上の例では、He is a student.(彼は学生です)の主語(He)とbe動詞 (is)を入れ換えることで Is he a student? (彼は学生ですか?)という疑問文になります。
これに対し、一般動詞の場合は、文頭にDoやCan, willなどの「助動詞」を付けて疑問文を作ります。
上の例では、You need a dictionary.(あなたは辞書が必要だ)という肯定文の頭に助動詞Doを付けると Do you need a dictionary?(あなたは辞書が必要ですか?)となります。
助動詞は、Can(~できる)、Will(~する予定だ)など、文の意味に応じて使われるため、疑問文もこれらの助動詞を使うことになります。
例文
You can use this machine.(あなたはこの機械を使うことができる)→Can you use this machine?(あなたはこの機械を使うことができますか?)
They will leave here today.(彼らは今日ここを発つ予定だ)→Will they leave here today?(彼らは今日ここを発つ予定ですか?)
WH疑問文
WH疑問文は、相手に具体的な回答を求める疑問文です。
日本でもよく使われる「5W1H」という言葉の通り、WH疑問文は、When(いつ)、Who(だれが)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)で始まります。
疑問文を作るこれらの単語を疑問詞といいます。
WH疑問文の作り方
WH疑問文の作り方は、上で説明したYes/No疑問文の先頭に、それぞれの疑問詞を付ければOK。
先ほどの例に挙げた Do you need a dictionary?(あなたは辞書が必要ですか?)という例文であれば、When do you need a dictionary?(あなたはいつ辞書が必要ですか?)や、Why do you need a dictionary?(あなたはなぜ辞書が必要なのですか?)などとなります。
ただし、主語を尋ねる場合は、Yes/No疑問文の頭に疑問詞を付けるのではなく、主語をWhoに変えるだけです。
You need a dictionary.(あなたは辞書が必要だ)という文を例にすると、誰が辞書を必要としているのか尋ねる場合は You を Who に変えて Who needs a dictionary?(誰が辞書を必要としていますか?)とします。
必ずしも Who do you know in this class?(このクラスで誰を知っていますか?)のように Who の後に do や can、will といった助動詞が来るパターンばかりではないので、注意してください。
命令文
相手に何かの命令をする文です。
直訳では「~しなさい」となりますが、文脈によっては「~してください」という意味になることもあります。
文の構造としては、主語を消して文頭に動詞の原形を持ってくるだけです。
たとえば、Finish your homework.(宿題を終わらせなさい)、Come here right now.(今すぐここに来なさい)などです。
動詞の原形を使うので、be動詞であれば Be quiet.(静かにしなさい)のように Be ~. となります。
文脈によって「~してください」となる場合の例としては、道案内で Turn left at that corner.(あの角を左に曲がってください)と言ったり、お店のポスターに Take it for free.(ご自由にお取りください)と書いたりすることがあります。
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以上で否定文・疑問文・命令文の説明を終わります。
ここで説明した文法知識は、TOEICのリーディングパートでもよく出題されます。
また、冒頭にも書いたように、日本語と英語で構造が違う場合もありますので、それぞれのポイントを押さえるようにしてください。
例文まとめ
最後に、この回出てきた例文をまとめておきます。
例文をクリックすると、説明の箇所に戻りますので、どの例文がどのような説明の中で挙げられていたのかを確認するためにご利用ください。
I am not good at playing the guitar.(私はギターを弾くのが得意ではない)
I didn’t study English yesterday.(私は昨日英語を勉強しなかった)
I have never visited here for business.(私は仕事でここを訪れたことは一度もない)
Do you need a dictionary?(あなたは辞書が必要ですか?)
Can you use this machine?(あなたはこの機械を使うことができますか?)
Will they leave here today?(彼らは今日ここを発つ予定ですか?)
When do you need a dictionary?(あなたはいつ辞書が必要ですか?)
Why do you need a dictionary?(あなたはなぜ辞書が必要なのですか?)
Who needs a dictionary?(誰が辞書を必要としていますか?)
Who do you know in this class?(このクラスで誰を知っていますか?)
Finish your homework.(宿題を終わらせなさい)
Come here right now.(今すぐここに来なさい)
Turn left at that corner.(あの角を左に曲がってください)